こんにちは、シューフィッターの佐藤靖青(旧・こまつ)です。靴の設計、リペア、フィッティングの経験と知識を生かし、革靴からスニーカーまで、知られざる靴のイロハをみなさまにお伝えしていこうと思います。
まもなく梅雨が始まります。雨の日に何を履いているか、職業柄つい人の足元を見てしまうのですが、結構な雨でも「普段通りの靴」か「履き古した、濡れてもいい二軍の靴」を履いている方が8割以上いらっしゃいます。わかります。靴はボロくなっても、捨てるタイミングがなかなかわかりませんから。でも、ちょっと待ってください。その雨用の古い靴、臭っていませんか? 電車でも屋内でも、中まで濡れた靴は思った以上に臭いますし、このご時世、スメルハラスメントになりかねません。何より、履いている本人が不快でしょう。とはいえ、降るかどうかわからない微妙な天気に、ゴム長で仕事に行くわけにもいきません。今日は、雨でも水を通しにくく、臭いにくく、晴れの日でも気持ちよく履ける靴を紹介します。
◆カジュアルスニーカー3選
オン「クラウド 6 ジオ ウォータープルーフ」。2万4200円。写真は公式HPよりオン「クラウド 6 ジオ ウォータープルーフ」(2万4200円)は、防水+ワンタッチ着脱のモデルです。かなり強気の価格ですが、ブラックは発売から瞬く間に完売しました。グレーならまだ手に入るはずですし、カジュアルにも合わせやすく、文句なく歩きやすい一足です。オンは、主力防水モデルの「クラウド6 WP」の評判がお世辞にもいいとは言えませんでした。中途半端なハンズフリー仕様で脱げやすく、底の減りも価格の割に早かった。そこをしっかり改善してきたのが、このモデルです。ハンズフリー仕様はやめ、紐の代わりにコード式を採用。着脱とフィット感の調整は一瞬です。底も補強され、減りづらくなっています。筆者も店頭で試しましたが、履き心地は「なめらか」の一言。表面にはバリスティックナイロンを使っているので、ぶつけようが人に踏まれようがノーダメージ。長く使えるはずです。
コロンビア「スカイライド ストリート ウォータープルーフ」。1万2650円。写真は公式HPよりコロンビア「スカイライド ストリート ウォータープルーフ」(1万2650円)は、この価格で完全防水。ゴアテックスではありませんが、コロンビア独自開発の「アウトドライ」仕様で、ゲリラ豪雨にも耐えます。一方で、思いのほか通気性もいいので、よほどの灼熱でなければ蒸れ感もほとんどありません。ハイパークッションで、関節を痛めている方でもガンガン歩けます。しっかりしたアキレス腱パッドで足首のブレを防ぐので、短靴なのに履いた感触はハーフブーツ並み。ロゴも控えめなので、ビジネスカジュアルでも違和感はありません。街中からアウトドア、旅行まで使えてこの価格は破格。靴の中のサラサラ感も続くので、悪臭とも無縁です。コスパ重視+歩きやすさ重視の方におすすめです。
ワークマン「ファイングリップレイン」。2500円。写真は公式HPよりワークマン「ファイングリップレイン」(2500円)は、驚異的な価格ですが、これも防水シューズです。価格なりに「完全防水」ではありませんが、雨が降るかどうか微妙な天気にはちょうどいい。見た目は完全にコンバースのオールスターの防水バージョンと瓜二つなんですが、こちらは底に厨房シューズの技術を応用していて、雨上がりの濡れたコンクリートの上でも滑りません。全体が合皮なのでやや蒸れ感はありますが、インソールが簡単に取れるので、汗や臭いが気になったらインソールだけを洗濯機で洗ってしまえばOK。底裏も厨房用なので、乾いたコンクリートでは減りやすいのですが、1年は持つでしょう。「とりあえずのお手軽防水靴」を探している方には最適です。
◆ビジネス用はテクシー一択
アシックス商事「テクシーリュクス・ゴアテックス」。1万8700円。写真は販売サイトAmazonより最後は革靴です。ビジネスカジュアルが進んでいるとはいっても、結局何を履いたらいいかわからず、無難に革靴を選ぶ方も多いでしょう。であれば、何はさておき、アシックス商事「テクシーリュクス・ゴアテックス」(1万8700円)に一度足を通してみてください。ゴアテックスモデルは公式では1万8700円ですが、実店舗やオンラインでの実勢価格は1万4000円ほど。天然革+スニーカーの履き心地+完全防水で1万4000円。スポーツメーカーのいい意味で怖いところです。さらに、インソールは徹底した防臭加工。紐穴の横には隠しゴムも付いており、靴ベラを使えば一瞬で着脱可能と、至れり尽くせりです。ただし、テクシーリュクスは2026年12月31日をもってブランドとしての販売終了が発表されています。アシックス商事公式オンラインストアでの注文受付は2026年9月30日まで。2027年2月からは「ASICS」ブランドのシリーズとして新たに販売される予定ですが、価格が上がる可能性はあるでしょう。気になっている方は、早めにチェックしておいたほうがよさそうです。
雨の日の靴は、「濡れるかどうか」ばかり気にされがちですが、本当に差が出るのはその後です。蒸れないか、臭わないか、疲れないか。そして翌日また気持ちよく履けるか。特に梅雨は、足元の不快感がそのまま1日のストレスになります。だからこそ、“雨だから仕方ない”と古い靴を使い続けるより、最初から快適な防水靴を1足持っておくほうが、結果的にはラクです。これからの時期、足元を変えるだけで、通勤も外出もかなり快適になるはずです。
【シューフィッター佐藤靖青】
イギリスのノーサンプトンで靴を学び、20代で靴の設計、30代からリペアの世界へ。現在「全国どこでもシューフィッター」として活動中。YouTube『足と靴のスペシャリスト』。靴のブログを毎日書いてます『シューフィッター佐藤靖青(旧・こまつ)@毎日靴ブログ』。著書『予約の取れないシューフィッターが教える正しい靴の選びかた』