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「賃金の伸び、物価に届かず」約6割が実感…社会保障は「信頼できない」が「信頼できる」を上回る 連合総研調査

「賃金の伸び、物価に届かず」約6割が実感…社会保障は「信頼できない」が「信頼できる」を上回る 連合総研調査

連合のシンクタンク、連合総合生活開発研究所(連合総研)は5月21日、第51回「勤労者短観」(勤労者の仕事と暮らしに関するアンケート調査)の結果を公表した。首都圏と関西圏に住む20〜64歳の民間企業雇用者2000人を対象に、4月1日〜8日にインターネットで実施したものである。

同日都内で開かれた記者会見で、連合総研の山脇義光(やまわき・よしみつ)副所長は「今回の一番のポイントとしては、やはり物価上昇に賃金の上昇が追いついていない、実質賃金が低下している状況が続いていることが挙げられる」と説明した。

調査結果によると、1年前と比較した自身の賃金収入の変動幅と物価上昇幅の差について、「賃金収入の変動幅は、物価上昇より小さい(賃金の増加幅<物価上昇幅)」と回答した割合は57.0%にのぼった。

50代以上は6割以上が実感

年代別では、「賃金収入の変動幅は、物価上昇より小さい(賃金の増加幅<物価上昇幅)」と答えた割合は50代以上で66.7%。20代は43.8%、30代は54.4%、40代は57.3%と、年代が上がるほどその傾向が強まる。

就業形態別にみると、正社員は55.8%、非正社員は59.5%となっている。山脇副所長は「非正社員の方が正社員よりも物価上昇に賃上げがついていないと回答している割合が高い」と指摘した。

「1年前と比べた賃金収入」の増減D.I.値(増加したとの回答の構成比から減少したとの回答の構成比を差し引いた数値)は、正社員でプラス10.4と、2025年10月調査(プラス12.5)から低下。山脇副所長は「D.I.(指数)としてはプラスを維持しているものの、実質収入の伸びは弱くなってきている」と述べた。

世帯収支「赤字」4分の1、女性非正規主生計者では4割

過去1年間の世帯全体の年間収支について、「やや赤字」「かなり赤字」を合わせた<赤字>の割合は24.8%。主に家計を支える主生計支持者のうち、女性非正社員では<赤字>が40.0%と、前年4月調査(38.3%)から上昇した。

世帯年収400万円未満の層では<赤字>が33.7%。世帯収入が「減った」と回答した層では54.3%と、半数を超えている。

過去1年間で何らかの費目について支出を切り詰めていると回答した割合は66.8%。「子どもの教育費」を切り詰めている割合は前年から3.3%上昇した。山脇副所長は会見で「物価高による節約志向の強まりということと、将来不安から家計防衛的な貯蓄が増加しているのではないか」と分析している。

教育訓練に「正社員と非正社員の格差が構造的に存在」

今回のトピック調査で扱われた職業能力開発の項目では、過去1年間にOJT(職場内訓練)に取り組んだ割合は正社員27.0%に対し非正社員16.7%。OFF-JT(職場外訓練)では正社員23.7%に対し非正社員12.3%、自己啓発では正社員25.0%に対し非正社員10.8%と、いずれも正社員が非正社員を大きく上回った。

山脇副所長は「正社員と非正社員の教育訓練機会の格差は前から指摘されているが、これが構造的に存在し、企業の人材投資がこの形態で偏っていることが考えられる」と指摘。さらに「政府がこれだけリスキリング推進を言っているにもかかわらず、企業にはそれが届いていない、あるいは企業の取り組みが十分でないということも想定される」と述べた。

社会保障も「信頼できない」が「信頼できる」を上回る

社会保障制度への信頼度については、年金制度、医療制度、介護保険制度、子ども・子育て支援制度のすべてで<信頼できない>の割合が<信頼できる>を上回った。年金制度では<信頼できない>が64.0%、介護保険制度では55.7%と高水準である。

今後の社会保障の給付と負担のバランスについて「給付水準を保つために、ある程度の負担の増加はやむを得ない」と回答した割合は23.9%にとどまった。会見で山脇副所長は「家計防衛的な意識から、負担増よりも給付水準を引き下げる動きが優勢だ」と総括した。

会見の質疑応答で、政府への要請について問われた山脇副所長は「具体的な政策提言や対応については連合に委ねる」と前置きしつつ「物価高に対応した賃金改善を求めていくことが一番。加えて非正規社員を含む教育の機会の拡充も重要だと思うし、社会保障制度への信頼の回復は引き続き対応として求めていくことが重要だ」と語った。

連合総研は、全国約4000人を対象とした全国版の分析結果を6月上旬にホームページで公表する予定としている。

配信元: 弁護士JP

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