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ひとり親世帯「お米も買えない」「夏休みはエアコンを控える」 支援団体が政府に“現金給付”等の施策求め会見

ひとり親世帯「お米も買えない」「夏休みはエアコンを控える」 支援団体が政府に“現金給付”等の施策求め会見

子どもの貧困対策等に取り組む5団体が22日、都内で記者会見を開き、中東情勢の悪化を受けた物価高騰が困窮する子育て世帯に追い打ちをかけているとして、政府に対し補正予算による「低所得子育て世帯生活支援特別給付金」の支給などを強く要請した。

会見では、各団体が実施した調査などから、保護者の心身の健康悪化や子どもの食生活の危機的状況が報告されたほか、当事者のひとり親からも生活の窮状を訴える切実な声が上がった。

補正予算での現金給付を要請

会見した5団体は、公益財団法人あすのば、認定特定非営利活動法人キッズドア、特定非営利活動法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ、公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン、特定非営利活動法人ひとり親家庭サポート団体全国協議会。

5団体は5月15日付で超党派の「子どもの貧困対策推進議員連盟」に対し、「中東危機による、さらなる物価高騰で追い詰められる困窮子育て世帯 緊急対策要望書」を提出している。

要望の柱は、児童扶養手当受給者や住民税非課税の子育て世帯を対象に「低所得子育て世帯生活支援特別給付金」を早急に実施することだ。

同様の給付金はコロナ禍以降、複数回実施されてきたが、ここ2年間は予算措置が取られていない。

あすのばの小河光治代表理事は、今年に入り「生活苦」を背景とした子育て世帯の無理心中事件が続いて報道されていることに触れ、「炭鉱のカナリアのように、本当に追い詰められた末の悲劇があちこちで起きている」と危機感を表明した。

政府が2026年度補正予算案の規模を3兆円程度で調整するという報道が出たことを受け、「過去の実績から、子育て世帯への特別給付措置に係る事業費は1500億~2000億円程度と試算される。真っ先に低所得の子育て世帯を支援をしていただきたい」と訴えた。

7割超の家庭で「食事に影響」

会見では、困窮世帯の深刻な実態を示す調査結果も公表された。

キッズドアが2025年秋に実施した調査によると、同団体が支援している困窮子育て世帯では、物価高騰の影響で「保護者の食事が減ったり、栄養バランスが悪化している」との回答が75%に上った(回答1924件)。

所得300万~600万円の一般世帯からの同回答は11%にとどまった(回答500件)ことから、すでに生活が厳しい子育て世帯により負担が集まっていることがわかる。

さらに「子どもの食事が減ったり、栄養バランスが悪化している」世帯も、困窮子育て世帯では49%に達した(一般世帯では8%)。

困窮世帯では保護者の健康状態も悪化しており、37%が「健康状態が悪くなった」と回答。精神的な健康状態を測る指標(K6)では、うつ病などの精神疾患の可能性があり「要注意/要受診」と判定された人が61%に上った。これは一般の30~50代女性(12%)の5倍にあたる水準である。

キッズドアの渡辺由美子理事長は「所得の低い人ほど心身の状況を悪くしている。給付金が決まれば、それを目指して生活できる。非常に少ない予算で子どもと親の命が救われる」と述べ、補正予算での現金給付の必要性を強調した。

「夏休みはリスクが高い」 居場所と食事の確保も急務

学校・給食のない夏休み期間中のリスクも大きな課題として提起された。

しんぐるまざあず・ふぉーらむが2025年7月末に行った調査では、ひとり親の74%が「エアコンの使用を控える」と回答したという。酷暑の中での熱中症や、食費増による栄養不足が懸念される。

これに対し、議員連盟と支援団体は4月27日、黄川田(きかわだ)仁志こども政策担当大臣に「夏休みこども緊急セーフティネット構築プラン」の活用を要請している。

同プランは、自治体が学校施設や児童館などを「涼しい居場所」として開放し、食事を提供することや、フードバンクと連携した食料供給ラインの構築、支援が届きにくい家庭へのアウトリーチを組み合わせたものだ。

キッズドアの渡辺氏は「昨年から熱中症になるお子さんが非常に多い。涼しい場所で食事も提供できるところをぜひ作ってほしい」と訴えた。

また、ひとり親家庭向けに夏休み期間中の食糧支援を行っているという「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」の小森雅子理事長は「毎年たくさんの方に応募いただいているが、民間の団体なのですべての方への支援はできない。そもそも私たちの団体に繋がってくださる方もごく一部だと考えると、民間の力ではもう支えきれないところにきているのではないか」と語り、政府による支援が不可欠だと述べた。

「お米も買えない」当事者が語るギリギリの生活

会見には、都内で中学3年生の息子と暮らすシングルマザーもオンラインで参加し、発言した。

平日はフルタイムで働いているという女性は「毎月いただいたお給料でギリギリの生活をしている」と窮状を語った。

米は一時期より価格が落ち着いてきたものの一度に2キロほどしか買えず、足りない分は菓子パンなどでしのいでいるという。

児童扶養手当などがあっても、家賃や光熱費、学費、部活動費などに消え、貯金はできない。自身も持病を抱え、これ以上収入を増やすのは困難だとし、「子どもの成長とともに何を優先すべきか正直悩んでいる。もう少し支援の手を差し伸べていただけると大変ありがたい」と訴えた。

あすのば理事で日本大学教授の末冨芳氏は、「日本のひとり親の就労率はOECDトップクラス。それにもかかわらず、低賃金で生活が立ち行かなくなっている実態がある。元々、日本は子育て世帯への再分配が足りていない」と構造的な問題を指摘。

「この国の未来を支える子どもたちの命がつながれるよう、政府には給付金の支給をしていただきたい」と締めくくった。

配信元: 弁護士JP

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