◆「女性宮家」全部に反対するのは、如何なものか
桂宮家を「女性宮が当主であっただけで女性宮家ではない」と強弁する向きもあるが、では何が女性宮家なのか。「女性宮家を認めると女系天皇につながる恐れがあるから反対だ」とする気持ちは分かる。確かに女性宮がパンピーの男と結婚し、その子が皇族となれば、天皇になれる。それは女系天皇であり、日本の歴史に一度も先例がない事態だ。ただ、「女性宮家」と名がつけば全部反対するのは、如何なものか?
三笠宮家は百合子殿下の時代から、女性宮家であった。しかも百合子殿下は、民間人出身(旧姓高木)。百合子殿下は宮号こそなく、皇女ではなかったが、皇族であった。皇族を当主とする宮家なので、女性宮家ではないか。
◆パンピーの男を受け容れないのが皇室の伝統
このたび、崇仁親王と百合子殿下の孫娘にして、寬仁親王と信子殿下(旧姓麻生)の娘の、彬子女王が当主となられた。彬子殿下は宮号こそないが、男系女子の皇女様である(皇親の女性)。これを女性当主から女性当主への継承だから、女系継承ではないかと考える向きもある。その通り。何が問題か。皇室は神話の時代から女性を受け容れてきた。皇女たらざる皇族の百合子殿下から、皇女たる皇族の彬子殿下に宮家が継承された。
これで伝統は、何も壊れていない。三笠宮家の事例で、パンピーの男を皇室に受け入れていないからだ。神話以来、一度の例外も無く、パンピーの男を受け容れないのが皇室の伝統だ。それを守っているので、三笠宮家の女系継承は、許される。

