◆旧皇族の男系男子孫の養子による皇籍取得への受け皿
ちなみに、信子殿下が新たに「親王妃家」を設立されて当主になられる。聞きなれない名称だが、これまでの女性宮家に准じたと考えれば、大枠は崩していない。家庭の事情のようだと聞く。後世の吉例とは言い難いが、宮家に女性しかいないのだから、現実に合わせて、先例に准じて上手く運用するしか無かろう。杓子定規など不可能だ。さて、今後の二つの宮家だ。信子殿下(70歳)はもちろん、彬子殿下(43歳)もそれなりの年齢だ。宮家を続けるには皇族の養子しか考えられない。どこにそんな皇族が?
いわゆる旧皇族がいる。すべての旧皇族は伏見宮家に源流を持ち、室町時代の後花園天皇から勅命を賜り近世・近代と皇室に残り、日本国憲法下でも皇族であった由緒正しい一族である。占領下で皇籍剥奪されたが、単なるパンピーではない。
旧皇族の男系男子孫の養子による皇籍取得への受け皿として、今回の当主継承を考えれば、自然である。
皇室を守るには、知恵が必要だ。
―[言論ストロングスタイル]―
【倉山 満】
憲政史研究家 1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『噓だらけの日本中世史』(扶桑社新書)が発売後即重版に

