2026年5月24日放送「ビートたけしのTVタックル」(テレビ朝日系)は、このところ注目される米中接近が日本に及ぼす影響についてとりあげたが、米中関係に詳しいキヤノングローバル戦略研究所上席研究員の峯村健司さんは、米中の関税戦争が落ち着くと、日本の物価にも良い影響が出る可能性を指摘した。一方で、対米関係では難題もあるという。

米中の関税緩和は日本経済に良い影響?
峯村さんによると、「米中の関税戦争が起きてから、中国の小売りの製造業とか工場が閉まったり稼働が落ちたりしていた。これが復活することによって日本にも比較的安い中国製が入ってくる。少し物価は下がる可能性もある」と、関税緩和により物価高騰がある程度抑制される可能性がある指摘した。
一方でリスクもあるという。「金属加工業は、これまで多少値段が高くても日本製が信頼できる分野だったが、安い中国製でいいかという流れになると、日本はダメージを受ける可能性はある」。
クリントン時代、日本が無視された苦い経験
米中関係の改善による影響は経済関係の変化だけにとどまらない。日米関係自体にも影響してくるという。
「こちらは、日本にとっていいことはあまり起こってこない。1998年のジャパン・パッシング、当時はクリントン大統領だったが、アジア歴訪はまず日本に立ち寄ってから中国に行くのがそれまでの慣例だった。しかし、この時は日本に来ないで中国にだけ行った。日本政府にも当時衝撃が走り『同盟軽視だ』という話になった。今回も、そんなことになりかねない。日本が無視される存在、どうでもいいやという存在になってしまうことを非常に懸念している」という。
当時の日本といえばバブル崩壊で景気が低迷、米中接近による「アメリカの日本軽視」が長期不況の一因になったという見方もあった。
「9月末に習近平氏がアメリカに来るとトランプ氏が発表した。これからの4か月間が、日本が生き残れるかどうかのラストチャンス。ここでどれだけ高市政権が同盟トランプ氏との関係をもっと強くすることが出来るのか、また、中国との関係改善ができるのか、もし失敗すると日本はかなり厳しい状況に追い込まれる」と、峯村さんは懸念を示した。
(ジャーナリスト 佐藤太郎)