神奈川県藤沢市内の江ノ島電鉄・江ノ島駅横の踏切で、若い女性観光客2人が遮断機の下りた後も留まっている危険な状況を撮った動画がSNS上で投稿され、関心を集めている。

2人は、同駅に停車中の電車を撮影し、スマホで見比べ合っている様子だった。当時の状況などについて、江ノ島電鉄に取材して話を聞いた。
我に返ったのか、遮断機バーの先頭まで走り出し
遮断機のバーが降りて来ても、踏切内に数人の観光客がいる。女性1人は、ドリンクを持ちながらバーをくぐるも、降りて来たバーに背中が当たってしまう。それでも、よろけながら、脱出した。
別の男性も、駅に停車中の藤沢行きの電車をスマホで撮影した後、やっと反対側のバーの外に出た。駅構内や踏切周辺には、大勢の観光客がいた。
一方、バーが降りても踏切内にいる2人組の女性は、停車中の電車をスマホで撮るような仕草をした後、振り向いて写真か動画を見比べ合っている。
「危ない! 危ない!」
こんな声がかかると、2人は、我に返ったのか、バーの先頭まで走り出した。その後、先頭から抜け出すように出て、難を逃れた。すると、駅の電車が見計らったように出発して、踏切を通過して行った。
この1分の動画は、台湾からの観光客が2026年5月23日にスレッズ上などで投稿した。「電車が来るのに、なぜまだ出て行かないのですか?」などと中国語で疑問を呈しており、翌24日には、X上でも動画が取り上げられて、大きな話題になった。
江ノ電沿線では、鎌倉市内の鎌倉高校前駅そばの踏切に外国人観光客らが相次いで訪れ、混雑している。人気アニメ「スラムダンク」で似た踏切のシーンがあったのがきっかけだった。
車道上で写真などを撮影するマナー違反が目立つが、踏切がないような国から来て、文化の違いに戸惑っているとも指摘されている。踏切周辺の通行に支障が出ていることから、鎌倉市では、警備員を配置して対応している。
江ノ島駅前でも、観光客らで混雑するようになって、マナー違反などの問題が出ているのだろうか。
「中国語で『くぐるな』と注意喚起している」
こうした疑問について、江ノ島電鉄の広報担当者は5月27日、「インバウンドに限らず、交通量が多い踏切では外に出ることが遅れてしまうケースはまれにございます」とJ-CASTニュースの取材に説明した。
そのうえで、同社では、次のように対応していると明らかにした。
「当該踏切は、非常停止ボタンや障害物検知装置が設置されているため、万が一、踏切内に障害物等の異常があれば運転士に伝える仕組みとなっています。また江ノ島駅横の踏切遮断桿には中国語で『くぐるな』という注意喚起を行っています。警備員配置については多客時等、必要に応じて当社で手配しております」
また、23日に江ノ島駅横の踏切で撮られた動画の状況については、こう述べた。
「本件に関して、当該列車の運転士は該当者がすぐに踏切外に出たことを確認し、踏切内の安全確認を行ったうえで、運行いたしました。これによる遅延等はございません」
この踏切がどんな状況かについて、藤沢市の観光課は27日、取材にこう答えた。
「土日や祝日は、確かに観光客でにぎわっていますが、鎌倉高校前駅ほどの混雑ではありません。写真などを撮られている方は多いと思いますが、マナーが悪いとはあまり聞いておらず、市が警備員を配置したりはしていないです。ただ、マナー違反の事態が散見されるようでしたら、対応する可能性があります」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)