マイアミ・マーリンズ戦に登板するフォスター・グリフィン(5月8日)|Lynne Sladky / AP Photo
昨季まで巨人で活躍したフォスター・グリフィン(30)が、メジャーで存在感を高めている。
今季からMLBへ復帰したナショナルズの左腕は、先発ローテーションの一角としてここまでチームトップの6勝を記録。防御率3.63をマークし、62イニングはチーム最多となっている。平均球速90マイル台前半ながら、多彩な球種と巧みな配球でメジャー打者を翻弄している。
グリフィンは2023年から2025年まで巨人でプレー。NPB通算54試合に登板し、18勝を挙げた。巨人での3年間を経て、なぜMLBで飛躍を遂げたのか。その背景には、日本で培った投球術があった。
MLB公式サイトが5月に公開したインタビュー動画で、グリフィンは日本での経験が自身を大きく変えたと明かしている。
「日本では同じ5球団と何度も対戦する。だからより深くスカウティングレポートを見るようになった」
来日1年目は、日本人打者を熟知する捕手のリードに任せる部分も大きかったという。しかし2年目、3年目と経験を重ねる中で、自ら打者分析を行うようになった。
「自分なりのレポートを作る方法や、打線をどう攻略するかを学んだ」
試合中にもメモを取り、打者の反応を観察したという。ファウルの方向、どの球種に反応するか、どんなスイングを見せるか――。そうした細かな情報を積み重ねながら、投球を組み立てていった。
こうした「日本での変化」は、アメリカメディアでも注目されている。ワシントン・ポスト紙は4月、日本での経験がグリフィンを「より完成された投手」に変えたと紹介。スポーツメディア『ジ・アスレチック』も、日本で球種の幅が広がったことに注目している。
日本で変化球の精度に磨きをかけたグリフィンは、カットボール、スイーパー、チェンジアップなどを投球の軸として定着。MLB復帰後はデータ分析も取り入れながら、現在はスプリットやシンカーを含む7球種を操る左腕として知られている。
球速で圧倒するタイプではない。だが、日本で培った配球術や打者観察、そして複数球種を組み合わせた投球設計が、MLB復帰後の飛躍につながっている。
一方で、グリフィンは日本野球について「あまり分析的ではなかった」とも語っている。だからこそMLB復帰後は、データ分析との融合にも手応えを感じているようだ。
球種割合や回転軸など、MLB球団が持つ詳細データを活用しながら、日本で培った「打者を見る力」を組み合わせているという。
巨人での3年間は、グリフィンにとって単なる海外挑戦ではなかった。メジャーで再び戦うための、投手としての再構築期間だったのかもしれない。
