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中国が世界に広める『日本=新型軍国主義』論 その狙いとは

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25年9月3日、中国・北京の天安門前で行われた軍事パレード|Ng Han Guan / AP Photo

 高市首相の台湾有事発言以降、中国は日本とのハイレベル会談を回避し、レアアースなどの輸出制限や日本への渡航自粛の呼びかけなどで報復してきた。しかし今年に入り、「新型軍国主義」という言葉を使い、日本が新たな軍国主義に突き進んでいるという言説を国際社会に向けて展開し始めた。中国の意図が注目される。

◆日本が暴走? 中国、軍国主義再来を主張
 「新型軍国主義」という言葉は、今年1月9日付の人民日報の「鐘声」署名論評で初めて使われた。このコラムは、「中国の声」を意味する鐘声というペンネームで書かれており、中国指導部の対外認識や外交方針を示すシグナルとして受け止められている。

 人民日報日本語版(3月18日付)は、「新型軍国主義」の核心的目的は、平和や防衛の仮面をかぶり、日本が第二次世界大戦の敗戦国としての束縛を脱し、武力を対外的に行使し、さらには戦争を発動できる軍事大国になれるよう後押しすることにあると説明。高市政権発足以来この動きは加速し、日本は「平和憲法」と戦後国際秩序による束縛を突破し続け、すでに現実的脅威になっていると述べている。

◆「防衛協力を語る資格あるのか」 中国が日本批判
 中国の日本に対する「新型軍国主義」批判は、5月末にシンガポールで開催されたアジア安全保障会議(シャングリラ対話)でさらにエスカレートした。小泉防衛相は、日本がアジア太平洋地域における防衛装備品協力において新たな役割を果たすという決意を表明し、地域における抑止力を具体的に強化することを目指していると発言した。

 これに対し、中国代表団長を務めた国防大学の孟祥青教授は、軍国主義の遺産と真摯に向き合っていない国が、果たして国際舞台で防衛協力について語る資格があるのだろうかと日本批判を展開した。

 中国共産党中央宣伝部傘下の英字紙チャイナ・デイリーは、シャングリラ対話の合間に行われた日米防衛相会談での合意事項を、小泉防衛相がまるで日米の軍事協力の結束を示す最新の証拠でもあるかのように大々的に発表したと批判。真に平和を望んでいるのなら、日本の言動不一致という昔からの手口を熟知している地域の国々の前で、あれほど露骨なパフォーマンスを披露することはなかっただろうと述べた。

 中国国営新華社通信は、加速する日本の軍事力増強は、平和国家としての日本のイメージを損なう、地域の安定を脅かす軍拡競争を招くといった政治家や専門家の声を紹介。さらに、中国外務省の林剣報道官による、日本の行動は平和、発展、協力を求める地域や国際社会の願いに反するものだとのコメントを掲載した。

◆小泉氏の反論に反論 関係改善は遠く……
 こうした中国の主張に対し、小泉防衛相はシャングリラ対話の演説のなかで反論。「核兵器と戦略爆撃機を大量に保有する国が、いずれも持たない日本を『新型軍国主義』と呼んでいるとしたらおかしいと思いませんか」と述べた。そのうえで、日本は常に対話にオープンであり、問題や摩擦があるからこそ率直な議論と意思疎通を重ねることが重要だとの考えを示した。

 しかし、中国代表団の一員であった沈志雄氏は、高市首相がオーストラリアを訪問し、無名戦士の墓に献花したのとは対照的に、アジアの第二次世界大戦の被害国は日本政府からいかなる謝罪や反省の表明も受けていないと主張。被害国の懸念に対し、真剣かつ明確な姿勢で対応し、相互信頼と地域の安全保障のための条件を整える考えがあるかと小泉防衛相に質問した。

 人民日報傘下の環球時報英語版は、小泉防衛相は質問に正面から答えず、対話とコミュニケーションを図ることが不可欠と回答したと述べ、沈氏の「(小泉氏の回答は)不誠実で単なる願望にすぎない」というコメントを紹介した。

 オーストラリア元首相のケビン・ラッド氏は、中国の世界戦略は、いかにして、特にアメリカとその同盟国間、あるいは同盟国同士の間で、できるだけ多くの亀裂を生み出すかを模索することにあると指摘。おそらく日本との対立における「出口」を探しているわけではないと英紙フィナンシャル・タイムズに語った。同紙は、沈氏が高市首相の献花問題を持ち出したことについても、そうした中国の戦略を反映した動きである可能性を示唆している。

 戦後80年を経ても、いまだに軍国主義が復活するという主張で日本を追い詰めようとする中国。小泉防衛相は対話の継続を呼びかけているが、和解の兆しは依然として見えない。

配信元: NewSphere

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