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海外送金・暗号資産サービスに新ルール…6月から「改正資金決済法」が施行

海外送金・暗号資産サービスに新ルール…6月から「改正資金決済法」が施行

近年、技術革新の発展に伴い、海外送金や国境をまたぐ決済サービスに対する需要が高まっている。

また、ブロックチェーン技術を用いた信託型ステーブルコイン(特定信託受益権)の発行や、暗号資産関連サービスの多様化が進み、これらを適切に規律する制度整備が求められてきた。

さらに、国際的なマネーロンダリング対策の強化や、暗号資産交換業者等の破綻時における利用者保護の観点からも、既存規制の見直しを求める声が強まっていた。

6月1日に施行された改正資金決済法(「資金決済に関する法律の一部を改正する法律」)は、これらの課題に対応することを目的とするものだ。

改正法の主なポイント

今回の改正で重要なのは、主に以下の5点だ。

(1)クロスボーダー収納代行への規制適用

従来は為替取引に当たらないと整理されてきた収納代行のうち、国境をまたいで行われる「クロスボーダー収納代行」に関して、一定の要件を満たすものについては「為替取引」に該当するものとして扱われ、資金移動業の規制の対象となった。

自ら売買当事者とはならず、第三者間の取引決済のために国際送金に類するサービスを提供する事業者について、利用者保護及びマネーロンダリング対策の観点から、一定のルールを課すための規制だ。ただし、内閣府令により適用除外となる類型も設けられる。

(2)特定信託受益権の裏付け資産運用の柔軟化

特定信託受益権(信託型ステーブルコイン)について、裏付け資産の管理・運用方法が見直された。従来は、裏付け資産を全額、要求払預貯金で管理する必要があったところ、改正により、発行額の一定割合を上限にして、国債や定期預金で運用することが認められるようになった。

これにより、発行者の資産運用の選択肢が広がり、制度運用の柔軟性が高まることが期待される。

(3)「電子決済手段・暗号資産サービス仲介業」の創設

今回の改正により、暗号資産交換業者等と利用者との間の売買・交換などを媒介する登録制の仲介業として、「電子決済手段・暗号資産サービス仲介業」が新設された。

この仲介業は利用者資産を直接預からないことから、資金決済法上の財務規制は限定的にしか課されないが、利用者への説明義務や広告規制など一定の行為規制は課される。

(4)暗号資産交換業者等に対する「資産の国内保有命令」の導入

暗号資産交換業者等については、事業者の破綻時などに備え、当局が一定の資産を国内に保有させることを命じることができる「資産の国内保有命令」制度が導入された。

利用者資産が海外所在の事業者に分散している場合などに、返還手続きの実効性を確保し、利用者保護を図ることを趣旨としている。

(5)破綻時等における利用者資金の返還方法の多様化

資金移動業者の破綻時等における利用者資金の返還方法について、従来の供託による方法に加え、保証機関や信託を活用して利用者への直接返還を行う仕組みが認められるようになった。

これにより、利用者保護を確保しつつ、返還手続きの実務に柔軟性を持たせることが可能となる。

新ルールへの対応を進める必要性

今回の資金決済法改正は、国際的な決済環境の変化や新たな金融技術の発展に対応し、利用者保護を図りながら、新たな決済サービスや暗号資産関連ビジネスの発展に対応することを目指すものだ。

関連事業者には、自社のビジネスモデルへの影響を正確に把握し、必要な対応を進めることが求められる。

配信元: 弁護士JP

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