
果物の種蒔きは、結果よりも「時間」を楽しむ。
果物を食べた後に残った種はどうするか。「ほとんどの人が捨ててしまうと思いますが、ぜひ土に蒔いてみて」と大野さん。発芽しやすいのは、レモンやオレンジなどの柑橘類や、りんごやさくらんぼなどのバラ科の果物の種。「実をつけるまでには数年かかるし、実がならないこともあります。ですが、その結果がすべてではなく、芽を出し、苗木となり、大きくなって花を咲かせて……少しずつ成長していく過程を楽しんでほしい。たとえば、柑橘類の葉っぱからも果実の香りがするのですが、ご存じですか? そういった発見もしながら、種を蒔いてからの育てる時間をじっくりと味わってください」
大野八生 おおの・やよい 造園家・イラストレーター
園芸好きの祖父のもとで、幼い頃から植物に親しむ。造園会社を退社後、ずっと描き続けてきたイラストと植物の仕事でフリーに。『みんなの園芸店 春夏秋冬を楽しむ庭づくり』(福音館書店)など著書多数。
illustration : Hiroko Shono text : Kazuyo Nojiri
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Life with Flowers & Greens / 花と緑のある暮らし。&Premium No. 150
花や草木の息吹に心がほどける、気持ちのよい季節がやってきました。ふかふかの土を触り、みずみずしい若葉に触れ、ほころんだ花の香りを深く吸い込む。そんなとき私たちの心と体には、不思議と健やかな力が漲ってくるように感じます。大きな庭がなくてもいいのです。部屋にささやかな一輪の花を飾り、ベランダで小さな鉢植えを育ててみることから始めてみてください。そこにはたくさんの発見と喜び、そしてときにはその姿に「生き方」を教わるような体験までもがつまっています。今号の特集は「花と緑のある暮らし」。植物との心地よい日々を楽しむ10組の住まいや、フローリストに学ぶ花と器の組み合わせ、花を愛したアーティストたちの物語、プロの園芸家がすすめる道具、など、植物との暮らしを快適にするヒントが満載です。
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