2026年6月1日から、一部の医療機関が診察予約の「キャンセル料」を請求できる制度が開始された。この制度をめぐり、全ての予約でキャンセル料が発生するかのような受け止めが広がった。厚生労働省は5月29日、訂正した通知を出し、上野賢一郎厚労相は同日の記者会見で、「現場に混乱を生じさせた」と謝罪した。

上野厚労相「お詫び申し上げたい」
上野厚労相は29日、予約料を取る「予約に基づく診察」を地方厚生局に届け出ている医療機関が「キャンセル料」を請求できると説明した。24年8月時点で、全国928件の届け出があるという。なお、この「予約に基づく診察」は患者の希望で追加のサービスを受ける際などに追加料金がかかる「選定療養」の1つだ。
「予約に基づく診察」を患者都合で診察日の直前にキャンセルした場合、キャンセル料を徴収できる。上野厚労相は「そもそも予約料を取っていない場合には、キャンセル料はもちろん取ることはできません」と説明し、訂正通知を出した背景について次のように述べた。
「関連通知の表記が、一般的な診療におけるキャンセル料の徴収も認められるようにも受け止められかねないものでしたので、今お話のあったとおり、当該通知について訂正の通知を発出させていただきました。この点、現場に混乱を生じさせたことについて、お詫び申し上げたいと思います」
厚労省が3月27日付で出した通知には、「予約に基づく診察の患者都合によるキャンセル料」と表記されており、「診察日の直前にキャンセルした場合に限る。なお、診察の予約に当たり、患者都合によるキャンセルの場合には費用徴収がある旨を事前に説明し、同意を得ること」と補足していた。
だが5月29日付の訂正通知では、「選定療養における」という表現が追加され、「選定療養における予約に基づく診察の患者都合によるキャンセル料」という表記に変更された。
3月27日付の通知の文言の意図は?
厚労省保険局医療課の担当者は5月29日の取材に対し、訂正通知を出した理由について「幅広くキャンセル料が取れるという誤解が生じてしまっているので、しっかりと趣旨を明確にするために『選定療養における』と追記をして訂正通知を出した」と説明。
SNS上では、「誤解」ではなく、厚労省の「ミス」ではないかという指摘もある。こうした指摘については、「我々としては選定療養の予約診察を書いたつもりだったが、確かに一般的な予約診察だと受け止められることもあると思い、そこについて訂正しました」と説明している。
「厚生労働大臣の定める評価療養、患者申出療養及び選定療養」という告示では、選定療養の定義が16個列挙されており、その2番目に「予約に基づく診察」がある。この文言をそのまま使うことにより、「選定療養における予約に基づく診察」を念頭に置いた記載をしたつもりだったと、担当者は説明した。
つまり、厚労省としては、「予約に基づく診察」と書いておけば、キャンセル料の対象になるのは、当然「予約料を取っている診察」だと医療機関に伝わる、と考えていたことになる。