カルチャーを創生するクリエイターにとって、会食はアイデアを生み出すためのフィールドワークだ。
東京の夜を舞台に己の美学を滲ませながら、相手を愉悦へと誘う。エンターテイナーの本領を発揮する人気クリエイターの会食とはいかに。
塩沢氏の「隠れ家会食」とは……
ラジオ番組のADからキャリアをスタート。小山薫堂氏と出会って放送作家に専念し放送作家事務所「N35」を共同設立。バラエティやドキュメンタリー番組を手掛け食に関する作品にも携わる
~隠れ家で驚かせ、意外性で裏切る。“三方よし”を実現する最強の2段構え~
放送作家として食にまつわる番組制作にも携わる塩沢 航氏。
会食では「店よし、相手よし、自分よし」の“三方よし”を意識。想像力を働かせ、ギャップある店選びで相手に印象づける。
西麻布の路地に佇む瀟洒な建物にタクシーで乗りつけた塩沢氏は、エレベーター最上階に位置するフレンチへと向かう
「お疲れさまです」の挨拶ではなく「場所、分かりましたか?」という会話から始まった方がフランクに会食をスタートできると塩沢氏。そうした思いもあって1軒目に選ぶのは大通りに面した店ではなく、隠れ家が多いと話す。
「僕にとっては相手の方と親交を深められる上に、知見も得られて美味しいものが食べられる会食は幸せでしかないですが(笑)、相手にもお店の方にもいい時間だったと思っていただけたら最高です」
ロケーションの意外性や、驚きのある料理を含め、「他の人との会食でも使いたくなるお店を紹介する」のは、食が繋ぐ縁を人一倍大切にしているからだ。
「2軒目でも、相手の驚く顔が見られたら嬉しい」と、シーンに合わせて選べるように店の候補は豊富にストック。
塩沢さんにとって、会食とは「次はどんな面白いことをしよう」と思いを巡らせ、クリエイターとして原点に立ち返る場なのかもしれない。
オープン当時はまだ珍しかったストウブ料理を提供するなど、常にアップグレードを続ける人気店『HOUSE』。
「アート性の高い家具を提案するインテリアブランド『CIBONE』のディレクションとあって店内はお洒落。料理も機知に富んでおり、会話が弾みます」
会食には世界的デザイナーのピート・へイン・イークのテーブルが配された個室がオススメ。
【1軒目からTAXIで15分】華やかな街の喫茶店で牛乳〆という裏切りを
『みやざわ』@銀座
銀座8丁目に位置し、夜は界隈のクラブからひっきりなしに出前の注文が入る老舗喫茶店。
「たまごサンドやエビフライサンドをつまみながら、冷えた牛乳で〆るのがツウです」
■店舗概要
店名:みやざわ
住所:中央区銀座8-5-25
TEL:03-3571-0169
営業時間:11:30~14:30/16:00~27:00
定休日:土曜、日曜、祝日
席数:テーブル32席
【1軒目からTAXIで8分】何かが物足りない夜は中華で円満解決
『52 Chinese Bar GONI』@麻布十番
仕事終わりの料理人も多く立ち寄る人気中華。
「フランス料理やイタリア料理で締まらなかったとき、ピータン豆腐にハイボール、〆に麻婆豆腐に白米を頼めば丸く収まります」
■店舗概要
店名:52 Chinese Bar GONI
住所:港区麻布十番1-4-3 2F
TEL:03-4362-7315
営業時間:18:30~LO24:30(土18:00~LO23:30)
定休日:日曜、祝日
席数:カウンター10席、テーブル4席
【1軒目からTAXIで20分】洒落たデザインビルにある“ほっこり酒場”のギャップ
『LAURA』@神楽坂
神楽坂に佇む女性店主が営む気取らない酒場『LAURA』。
「建築家・クマタイチさんが手掛けたシェアハウスにありつつ、その実態は今どきのほっこり系酒場というギャップがいいんです」
秋山氏の「スナック2次会」とは……
広告代理店勤務を経て「デイリーフレッシュ」を設立。商品パッケージから飲食店のロゴデザインまで手掛けるアートディレクターに。近著『こうやって、センスは生まれる』が好評発売中
~スタッフ含めて盛り上がれるゆるさがいい。美人ママのスナックでみんなハッピー!に~
一流店からB級グルメまで幅広く網羅する秋山具義氏。会食では1次会で親睦を深め、2次会は行きつけのスナックへ。
自然と距離感が縮まる“ホームグラウンド活用術”が鉄則だ。
“すいか”をモチーフにしたネオスナックのはしりといわれる広尾のスナック。会食の2次会は顔見知りが立つスナックへ流れるのが、秋山氏の定番だ
会食の店は、「3つの候補の中から相手に選んでもらうことが多い」という秋山具義氏。決め打ちではなく、相手の意見を尊重して決定権を委ねるのは、アートディレクターの仕事をする上でも大切にする“人を想う心”があればこそだ。
「ほぼ毎日、会食をしていると前後の料理ジャンルが被らない方がいいなと感じるんです。だからこそ店決めのヒアリングは丁寧にします」
また、少人数のときは圧倒的にカウンター派というこだわりも相手への心配りから。
「付き合いが浅い同士だと横並びのほうが緊張感がほぐれて喋りやすいんです」
そんな秋山氏の2次会は、行きつけのネオスナックに訪れるのが鉄板。「店のスタッフも交えて、一緒に飲んだり歌ったりすると、いつの間にかみんな笑顔になる」と話す。
相手を立て、ニーズを最優先するその心配りには、秋山氏の仕事の美学が一分の隙もなく貫かれている。
秋山氏がロゴデザインを手掛けた紹介制スナック。
『été』とのコラボアイス「meété」が食べられる。
「気が付くとあっという間に深夜に(笑)」
■店舗概要
店名:スナックハニー
住所:港区麻布十番2-1-11 LA CITY 麻布十番 LUCE 3F
TEL:非公開
営業時間:20:00~26:00 ※完全予約制
定休日:不定休
席数:カウンター10席、テーブル16席
※東カレ読者に特別開放。来店希望はInstagram(@821_azabujuban)へ「東カレを見た!」とDMを。
【Case2】連日盛況のネオスナックの走り。系列エステのチケットが喜ばれる!
『スナック すいか』@広尾
自家製餃子とすいかのカクテルは注文必須。
「名物の餃子は“焼き”と“水”が。系列の指圧エステ『すいかサロン』の券を渡すのも喜ばれます」
■店舗概要
店名:スナック すいか
住所:渋谷区広尾5-4-16 EAT PLAY WORKS 2F
TEL:03-6277-2551
営業時間:20:00~25:00
定休日:日曜のみ不定休
席数:カウンター9席、テーブル7席
【Case3】“オネエ”含めて総勢25名!百戦錬磨のスタッフで空前の盛り上がり
『スーパーバー』@青山
こちらも秋山氏がロゴをデザインした紹介制スナック。
「スタッフが賑やかでとにかく楽しい。初めてお連れする方もすぐに打ち解けます」
■店舗概要
店名:スーパーバー
住所:港区北青山2-9-9 外苑いちょうの杜 5F
TEL:非公開
営業時間:20:30~26:00 ※完全予約制
定休日:不定休
席数:カウンター9席、テーブル6席、個室1(10名)
※東カレ読者に特別開放。来店希望はInstagram(@super_bar1007)へ「東カレを見た!」とDMを。
五箇氏の“サウナ会食”とは……
ドラマ、映画プロデューサー。代表作はドラマ『サ道』、日韓合作『キンパとおにぎり』、映画『舟を編む』。ドラマ『天狗の台所』シーズン3が今秋放送予定。Podcast番組『みんなでサウナ』のMCも
~サウナは最高のアイスブレイク。“リラックス”と“アットホーム”で共感を高める~
ドラマ『サ道』や『キンパとおにぎり』など話題作を手掛け、サウナブームを加速させた立役者であるプロデューサーの五箇公貴氏。
人間関係が円滑になる“ととのう”会食とは?
荒木町に今年オープンしたばかりのサウナで“ととのい中”の五箇氏。会食相手がサウナ好きのときは、“連れサ”をしてから食事に向かうことも
多くの映像作品を手掛けてきた敏腕プロデューサーと聞けば、会食においても百戦錬磨のイメージだが、五箇公貴氏は「実は、会食という言葉になじめないこともありました」と打ち明ける。
「会食の多くは会話が主体で食事は二の次ということも。目の前で乾燥していく料理を見るたびに、胸が締めつけられる思いをしていたんです。食事もサウナも乾燥は一番の敵ですからね(笑)」
母の実家が料亭で、子どもの頃から身近に「食」があったという五箇氏は、「格調高さよりも、ごはんを楽しみながら会話もできるお店選び」を心掛けると語る。
相手に興味がありそうなら、サウナもセットでお声がけすることも多いそう。
「初対面でも一緒にサウナに入ると、意外と打ち解けられるものです。サウナが好きなので、会食のモチベーションも上がって良いんです」
共体験で絆を深め、語らいを濃密にする。クリエイターの会食は、やっぱり創造力の塊だ。
スタッフによるアロマロウリュが◎
深海をイメージした男性専用サウナが荒木町の路地奥に。
水風呂は、冷たすぎず、ぬるすぎずの絶妙温度。広々としていて他人を気にせず浸かれる。静かなBGMに身を委ねればリラックス感もひとしお
水風呂の温度は15~17度に保たれ、暗めの照明効果も相まって心身が解き放たれるような感覚に。
「四谷三丁目界隈で会食をすることが多いので、こちらのオープンは朗報。海底にいるかのような雰囲気と環境音も落ち着きます。会食の話題を整理するのにも良いです」
帰り際にイオンウォーターを流し込めばリセット完了
■店舗概要
店名:荒木町サウナ Logout
住所:新宿区荒木町6-1 荒木町ガーデンズ 103
TEL:03-6457-4446
営業時間:13:00~最終入場21:50(土日11:00~)
定休日:不定休
サウナ室1、水風呂1※男性専用
【1軒目から徒歩で15分】あえて少し離れた小体な店で距離を縮める
『たく庵』@四谷三丁目
店主夫婦の人柄が和やかなムードを生み出す
小原さん夫婦が二人三脚で営む和食店。落ち着いた雰囲気なので、距離が近くなりたい相手との会食に向いているそう。
オープン当初から人気の看板メニュー「小肌のフライ」(¥800)。「しらすと青唐のオムレツ」(¥1,400)は豊富にそろう焼酎と。〆には柚子塩おむすび(1個¥450)を
「小肌のフライやしらすと青唐のオムレツなど、ありそうだけど他には絶対にない、オリジナリティ溢れる気の利いた酒肴の数々に、いつもメニューを見ながらビールが1本空いてしまいます」
四谷三丁目駅から徒歩3分の地下に佇む
■店舗概要
店名:たく庵
住所:新宿区四谷3-13-1 大高ビル B1F
TEL:03-3357-0543
営業時間:17:00~23:00
定休日:土曜不定休、日曜
席数:カウンター9席、小上がり4~6席
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