埼玉県川口市でケアマネジャーの女性(63)が訪問先で、刃物で刺されて死亡した事件を2026年6月2日放送の「news23」(TBS系)は取り上げ、ケアマネジャーが抱える危機感についてとりあげた。専門家からは、ケアマネ任せの限界が指摘される。

民間だけでケアマネ任せにしておくと限界
1年以内に利用者や家族からハラスメントをうけたとするケアマネジャーは26.5%、4人に1人が経験しているという介護労働安定センターの調査結果(2023年)を紹介した。介護問題に詳しい淑徳大学教授の結城康博さんは「こういう問題のある家庭に行く場合は、役所がケアマネジメントをやるというシステムに大きく変えていかないといけない。民間だけでケアマネ任せにしておくと限界がある、という事件だったのではないか」と指摘する。その対策として、リスクのある現場には2人態勢で行くことが大事だ。これには人件費もかかるので、必要な予算をつけることが急がれるという。
お金で解決するのではなく、社会全体がどうやって連携していくか
小説家の真山仁さんは「ケアを受ける方たちも日常生活で追い詰められている。頼みの綱が介護してくださる人たちだ。一方でケアマネジャーからすると、介護を受ける人たちにあまり依存させてはよくない。そのバランスが大事で、行政が補助金でカバーするのはなかなかしんどい状況であるが、ケアマネジャーをサポートする体制づくりはできるのではないか」と話す。
「これからもっと深刻なことが起きる可能性がある。それが大都会で起きる。大都会は近所づきあいもしていないところもあり、親子関係が希薄の場合も多い。その中で頼みの綱がケアマネジャーだったりする。お金で解決するのではなくて社会全体が介護をどうやって連携していくかを考えておかないと、大都会では大きな不幸が起きる気がする」と結んだ。
(ジャーナリスト 佐藤太郎)