コロラド・ロッキーズ戦に登板したドジャースの大谷翔平(5月27日)|Mark J. Terrill / AP Photo
ロサンゼルス・ドジャースが今季採用している「6人ローテーション」が、大きな成果を上げている。
メジャーリーグでは5人で先発陣を回すのが一般的だが、ドジャースは大谷翔平、山本由伸、佐々木朗希らを中心に6人体制を継続。その結果、先発投手陣はリーグ屈指の成績を残している。
実際にドジャースは投手陣全体で防御率3.11を記録し、メジャートップに立っている(6月4日時点)。先発陣も投球回数やクオリティースタート数でリーグ有数の成績を残しており、チームの快進撃を支えている。
では、6人ローテにはどのようなメリットがあるのだろうか。
◆疲労軽減と故障リスクの抑制
最大の利点は投手の負担軽減だ。
通常の5人ローテでは中4日で登板するケースが多いが、6人ローテでは登板間隔が1日長くなる。投手はその分、回復や調整に時間を充てることができる。
特に大谷、山本、佐々木は日本球界で中6日以上の登板間隔に慣れており、ドジャースの運用は日本時代に近いリズムを維持しやすい。
米スポーツメディア『ジ・アスレチック』によると、ドジャースのマーク・プライアー投手コーチは、大谷、山本、佐々木の3人が慣れ親しんだ調整サイクルを維持できることを利点として挙げている。
◆先発投手が長いイニングを投げられる
6人ローテの効果は休養だけではない。
十分な回復時間を確保できることで、首脳陣は先発投手により長いイニングを任せやすくなる。
ドジャース先発陣は今季、1試合平均5.71イニングを投げており、メジャートップの数字を記録している。昨季の4.84イニングから大幅な改善だ。
デーブ・ロバーツ監督は十分な回復時間があることで先発投手をより深いイニングまで起用しやすくなったとの考えを示している。
先発が長く投げればブルペンの負担も軽減され、チーム全体の投手運用にも余裕が生まれる。
◆若手投手の育成につながる
6人ローテは若手投手の成長を促す効果もある。
ドジャースではエメット・シーハンやジャスティン・ロブレスキーといった若手がローテーションに組み込まれている。登板間隔に余裕があるため、負担を抑えながらメジャー経験を積ませることができる。
プライアー投手コーチは、若手にとってメジャーの環境そのものが大きな負荷になると指摘。そのうえで、追加の休養日が適応を助けると説明している(ジ・アスレチック)。
◆なぜドジャースは実現できるのか
もっとも、6人ローテは全ての球団が簡単に導入できる戦略ではない。
先発投手が1人増えれば、それだけ多くの戦力が必要になるからだ。
ドジャースは今季、ブレーク・スネルやタイラー・グラスノーが故障で離脱しながらも6人ローテを維持してきた。若手投手が穴を埋めているだけでなく、マイナーにも有望株が控えている。
その一人がリバー・ライアンだ。ハムストリングの故障から復帰した右腕はマイナー最高峰のAAA(トリプルA)で好投を続けており、将来的な昇格候補として注目されている。球団は慎重な育成方針を取っているものの、さらなる選択肢が控えていることもドジャースの強みと言える。
豊富な投手層があるからこそ、ドジャースは6人ローテというぜいたくな運用を継続できているのだ。
◆ポストシーズンも見据えた戦略
ドジャースが6人ローテにこだわる理由は、レギュラーシーズンだけではない。
チームの最終目標はワールドシリーズ制覇であり、10月のポストシーズンに主力投手を万全の状態で送り込むことも重要なテーマとなる。
大谷、山本、佐々木らを中心とした先発陣に十分な休養を与えながら戦う現在のスタイルは、シーズン終盤や短期決戦を見据えた長期的な投手管理の一環でもある。
開幕から約2カ月が経過した現在も、ドジャースの先発陣はリーグ屈指の成績を残している。6人ローテは単なる休養策ではなく、投手陣のパフォーマンス向上と戦力維持を両立させる重要なチーム戦略として機能しているようだ。
