◆人生は「災い転じて福となる」

「そうなんですよ。ずっとお一人様です。ただ、一度だけ結婚しようとしたタイミングはあったんですよ。相手はスロットの師匠だった彼です。7年間同棲していました。顔はぜんぜんタイプじゃなかったけど、それ以外は何も嫌なところがない人でした」
——それでも結婚には至らなかった?
「彼がぎっくり腰になった時に、ものすごく八つ当たりされたんですよね。『タクシーを捕まえてこい!』から始まって、乗車中に『タクシーを揺らすな!』って無茶言われて(笑)。でも、その時に『この人はきっと、大事なこともすべて他人のせいにする』と思ったんです。もしも子どもができて、その子に何かあったらきっと私のせいになる。一緒にいて楽しい人ではあったけれど、人生のパートナーとしては無理だと感じました」
——今、結婚願望はありますか?
「全くないですね。今の私が夢中になっているのは、アンチエイジングです。実は私、2年くらい前から急激に美容オタクになったんですよ」
——それまであまり美容に興味はなかったのですか?
「セクシー女優をやっていたのに、コンビニで売っているコスメでじゅうぶんだと思っていましたね。何も気にせずに生きていました。今や、サロンに通ったりヒアルロン酸を打ったり。SNSで話題の美容法があれば即座に飛びついちゃいます」
——なぜ急に美容に目覚めたのでしょうか。
「たまたまスマホのノーマルカメラで自分を撮った時にビックリしちゃったんですよ。明らかに二重の幅が狭くなって、瞼も垂れて、若い頃と目の形が変わっていたんです。『えーっ!』って思わず声を出しちゃいました(笑)。加工できるアプリで撮っていると、そういうのがわからなくなるものですね……」
——どういった美容法を実践したのですか?
「目の形を綺麗にするために眉の下を切開しました。病院のカウンセリングで目の下のクマも指摘されたので、それもやることにしたんですけど……全部、失敗したんです……」
——失敗?どういうことですか?
「切開の傷が残って二重も結局形が変わって、クマのあった部分も凹んでしまいました。でも美容にハマったきっかけは、まさにこの失敗からなんです」
——もう二度とやるものか、とはならなかったのですね。
「そういう感覚はなかったです。お金はもったいないけど、起こってしまったことは仕方がない。嘆くよりも、もっと良いお医者さんを探す方がいいじゃないですか。だから、ハマった。結果としては、すごく良い先生に巡り合えてよかったな~と思っています」
——この話、冒頭のセクシー女優デビューと似た流れのような(笑)。
「つまり私は、ずっと変わらずにポジティブ思考なんです。人生は『災い転じて福となる』ですよ」
——では、最後に今後の目標を聞かせてください。
「現役のセクシー女優としては60歳まで頑張りたいですね。還暦を超えたら隠居してのんびり暮らす。そのためにも、今は仕事に全力で向き合いたいと思っています」
——ありがとうございました!
<取材・文・撮影/もちづき千代子>

