いつまでも輝く女性に ranune
改札で「いつも隙を狙って待ち構えている」“不正乗車”を繰り返す60代の男性客に駅員が声をかけた結果は…

改札で「いつも隙を狙って待ち構えている」“不正乗車”を繰り返す60代の男性客に駅員が声をかけた結果は…

◆優先席で妊婦にかけられた言葉


電車にのる妊婦
 佐藤真理さん(仮名・30代)は、妊娠7か月の頃、母と会うために電車に乗った。お腹も目立ち始めていたため、できる限り優先席を利用していたという。

「その日も3人掛けの真ん中が空いていて、両隣には若い男性が座っていました。マタニティーマークも見える位置につけていました」

 発車を待っていると、ホームで落ち着かない様子の中年女性が目に入った。女性は佐藤さんの目の前に立ち、じっと見下ろしてきたそうだ。そして電車が動き出すと、唐突に声をかけてきたという。

「ねえアンタ、ここ優先席なんだけど。アンタって座らないとマズいわけ?」

◆マタニティーマークを示した瞬間…


 女性は隣の男性たちには何も言わず、妊婦である佐藤さんだけに言葉を向けてきた。その態度に腹が立ち、佐藤さんは冷たく返す。

「マタニティーマークを指さして、『妊婦なので』とだけ答えました」

 女性は驚いたように固まり、佐藤さんとマークを交互に見て「……あっ、そう」とつぶやいたのだ。その様子に、佐藤さんの怒りはさらに募った。

「両隣の男性たちが気を利かせて席を譲ってくれましたが、その女性は“当然のように”座り込み、次の駅で何事もなかったように降りていったんです」

 残された佐藤さんは、やるせなさを覚えたという。

「たった1駅分のために、あんな理不尽な思いをさせられたのかと思うと、本当に悔しかったです。自分が“若い女性だから”狙われたのではと感じ、今思い出しても腹が立ちます」

 周囲の男性客の助けもあり、その後は無事に目的地へ到着したが、佐藤さんにとって忘れられない出来事となった。

 電車では個人のマナーが大いに問われる。だが、不快に感じても声をあげにくい空気があるのは事実だ。自分の何気ない行動が周囲の迷惑になっていないか、あらためて意識する必要があるだろう。

<取材・文/chimi86>

【chimi86】
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。
配信元: 日刊SPA!

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