一度は販売終了が発表された竹製物差し「竹尺」の再販が発表され、SNSで注目を集めている。再販を発表したのは、服飾・手芸材料の専門商社「日本紐釦(ちゅうこう)貿易」(大阪市)。販売終了は25年末、再販は26年5月29日に発表されている。この半年で何があったのか。経緯を会社に聞いた。

計4種類の竹尺を再販
日本紐釦貿易は1917年創業。生地や服飾・手芸用品などのハンドメイド材料を取り扱う卸売業者だ。同社は25年12月27日、長年取り扱ってきた竹尺シリーズについて、「国産竹材の不足と価格高騰」の影響でメーカーが生産終了すると発表した。
同投稿では、計10種類の竹尺を在庫限りで販売終了すると報告。代替品の取り扱いについては検討中だとし、「他社メーカー取り扱い品は今回のお知らせの対象外です」とも呼びかけていた。
当時、この投稿が大きな注目を集め、SNS上では「悲しい」「子供の頃の思い出」「良品の生産終了は寂しいですね...」「愛用してるので悲しい...」「母ちゃん結構持ってたなぁ」「手持ちのストック大事に使おう」などの声が寄せられていた。
その後26年5月29日、日本紐釦貿易が「【竹尺】再販のお知らせ」と題した文章をXに投稿。新しいメーカーで一部規格の再販が始まったとした上で、「30センチ」「50センチ」「鯨尺2尺」「2尺(センチ付)」の計4種類を紹介。なお、鯨尺(くじらじゃく)とは、和裁で用いられる伝統的な単位のことだ。
この投稿もSNS上で大きな話題になり、「是非購入したい」「ありがたいです」「再販良かった!」「すばらしい」「朗報!」などの声が寄せられた。
価格2倍でも販売は「堅調」
日本紐釦貿易の広報担当は6月1日、竹尺を再販した経緯をJ-CASTニュースの取材に説明した。竹尺を生産する国内工場は、25年内に生産を終えた工場のほかにも2、3社あったという。だが、これらの工場に対し、日本紐釦貿易や他の会社からの問い合わせが集中。そのうちの1社と交渉が成立し、再販の取引に至った。
担当者は「基本的な定規において『竹尺』は絶対に外せない商品です。そのため、代替品はずっと検討していました」と語る。
竹尺は一定の需要があるといい、裁縫(ソーイング)の一般的なツールとして購入する人が多い。また、小学校のソーイングセットにも20センチの竹尺が含まれていると説明。
しかし、原材料の価格高騰や生産者の高齢化により、竹尺を含め国産品の供給を続けることが困難になっている傾向があるという。
今回の再販検討にあたっては、中国製やベトナム製など海外品も候補に入れた。だが国産品のほうが製品の品質が優れていたため、「値段は高くなりはしましたが、お客様にとって利便性高い国産品を選びました」と話した。
再販する計4種類はいずれも価格が2倍以上になり、例えば30センチの竹尺の小売希望価格は、以前の600円程度から1400円ほどになる。
担当者によれば、以前の製品は原材料の高騰の影響が少なく、相場より割安だった。今回の製品はここ数年の価格高騰が避けられない為、最新の市場状況を反映した価格にしているという。
X投稿に対する反響については、「小中学校のタイミングで竹尺に触れる機会が多かったのではないか。それに紐づく思い出を持っていらっしゃるんだなと思いました」とコメントした。再販はすでに始まっており、販売は「堅調」だとしている。