広告代理店の会食は、最先端のトレンドを押さえつつ、究極のホスピタリティ精神で相手に合わせた提案をする。
会の成功に向けて、初手から相手の心を掴んでいるのだ。
見落としてしまいそうなほどシックな佇まいゆえ、“22”の文字を目印に。これまでの紹介制システムを刷新し、現在は電話からでも2ヶ月先までの予約を受け付けている
目印は数字だけ!そんな隠れ家感がツウな印象を与える
相手をその気にさせるには、まず大切なのが誘い文句。これまで紹介制だった店での会食と聞けば、誰だって心が浮き立つというものだ。
食通につとに知られる『鳥さわ』系列の『鳥さわ22』は、オープン以来、紹介制として営業してきたが、昨年から一見客にも席を開放。まだあまり知られていない情報を、いち早くキャッチする嗅覚の鋭さは、流行りに敏感であるべき広告マンの店選びにも直結する。
多くの美食店が並ぶ日赤通りで密やかなオーラを放つ黒塗りの扉を開けば、そこに広がるのは御影石のカウンター。
西麻布らしい洒脱な雰囲気が漂うカウンター。入り口から左手側の席なら、店主の手さばきもよく見えてライブ感も楽しめる
ゲストの食べる量に合わせられるストップ制の焼き鳥。秀逸な串に杯を進める手は止まらない
ここでは、ストップをかけるまで焼き鳥が供される。
コースよりも自由度が高く、ライブ感とイベント性を備えているのも会食相手との距離を縮めるのにうってつけ。
肉のしなやかな旨みと甘い脂のハーモニーが口の中にあふれる「かしわ」。
塩の串にはレモンをキュッと搾って。
「血肝」のぷりんと弾むような食感、コクのある味わいを引き出した焼きの技術にも唸る。
料理はおまかせ¥15,000~。
ワインはボトルのみだが¥9,500からあるので、予算内で組み立てる際もありがたい
ワイン、日本酒、焼酎もそろい、お酒好きをもてなすのも安心だ。
ここで充実した時間を共にすれば、ビジネスの新たな門戸が、きっと開かれる。
2.焼肉ではなく肉割烹。ひとつ上の金舌には“イイ感じ”のすべてがある
『赤坂 金舌』
居酒屋から鮨店、クラブが並ぶエスプラナード赤坂通りに立地。夜の賑やかな空気の中、黒壁と暖簾によるしっとりした店構えに安心する
華やかな周囲の空気とは一線を画すシックなエントランス
『赤坂 金舌(きんたん)』の名前からして安心材料だ。そう、ここは大人の焼肉の鉄板である『KINTAN』が手掛ける肉割烹。
店に入ると、和食を中心に料理人歴30年の料理長が迎え入れてくれて、信頼感はさらに高まる。
牛が掘られた木枠が目を引く障子を開けると、古民家のような趣のある個室がある。掘りごたつなので、年配の層がゲストでも安心だ
足が楽な掘りごたつの座敷で始まるのは、広告マン的な贅沢かつ良心価格の和牛コースだ。
例えば「雪プラン」は、肉寿司や黒毛和牛のステーキも入る内容に3時間のフリーフローが付いて¥15,000。広告業界会食の相場に収まるからありがたい。
序盤から盛り上げるのも広告業界流。
「トリュフと淡雪塩のプラチナユッケ」には、黒毛和牛の肩さんかくなどを使用
「トリュフと淡雪塩のプラチナユッケ」が登場すれば、皿に敷き詰められた生肉に高揚し、出席者の一体感が高まる。
「ここは完全生肉と明言しているんですよ」と言えば、厳しい基準をクリアした確かな店とも伝えられる。
30日間熟成のタンは旨みが凝縮している。トマトの梅酒漬けがいいお口直し
「30日間熟成極金舌串」や「レバーの溶岩焼き」、赤身のステーキに杯が進み、締めくくりは「鴨と九条ねぎの土鍋ご飯」。
鰹昆布と鴨の出汁で炊いた「つや姫」に鴨胸肉や九条ねぎがのる。料理はすべて「3時間フリーフロー付き雪プラン」(¥15,000)より
鍋蓋を開けた瞬間の先方の笑顔が、今宵の会食の結果だ。
3.星付き中華の息吹を随所に感じる新店は手札にあると心強い
『茶龍』
牛込神楽坂駅から徒歩4分というアクセスの良さ。地蔵坂から神楽坂通りを抜けて帰路につけば、充実した会食の余韻に浸れるはずだ
洗練された外観に星付きの系譜を感じる
和食や中華は会食の鉄板ジャンルだが、もうひとひねり欲しいというときに訪れたいのが、神楽坂の『茶龍』だ。
昨年11月にオープンした同店は、ミシュラン一ツ星を獲得した、少量多皿のモダンチャイニーズで人気を集める麻布台『Series』の姉妹店。
そのDNAを継ぎ、「トラディショナルな中国料理に、日本の食材や和食の技法を掛け合わせた唯一無二のコース」を提供する。
「前菜盛り合わせ」。イベリコ豚を西京味噌に漬け込んだチャーシューなど、5品を少しずつ味わえる
20品前後が登場すると聞くと会食の場合は座持ちが気になるところ。
しかし、季節感をしのばせ、西京味噌などの調味料でアクセントを添えた料理は驚きと発見に満ち、食べ進めるごとに相手との会話も円滑に。
「フカヒレ土鍋おこげ」は、白湯とオオモンハタのあらから取った出汁で濃厚に仕上げる。料理はいずれもシグネチャーコース(¥13,800)の一例
手元のメニューには食材のみが記されているため、なごやかに謎解きディナーを楽しむのも一興だ。
店奥には円卓を備えた完全個室も備える。最大6名まで利用可能で、周囲を気にせずに食事や会話に没頭することができる
カウンターにテーブル席、円卓個室も完備し、会食のトーンによって使い分けができるのも嬉しいところ。
和と中華がゆるやかに融和するオリジナリティあふれる皿の数々を前にすれば、心弾む時間になる。


