今年発生した部員間の暴力事案を巡り、広陵の対応がネットで大炎上。1回戦を勝利するも、2回戦を前に異例の出場辞退が決まった。

◆来年4月の新1年生には“広陵離れ”の兆しも?
夏の騒動から約2か月が経過し、広陵の新チームは順当に秋季県大会を勝ち進んでいる。すでに決勝進出を決め、今月24日に開幕する秋季中国大会への出場も確定。当然の如く、優勝候補の筆頭として来春のセンバツを懸けた戦いに臨むことになるだろう。ただし、来年4月にどれだけ優秀な1年生が広陵に入学してくるかは微妙なところだ。中国地方の高校野球事情に詳しいA氏によると、今後は広陵への進学を避ける、いわゆる“広陵離れ”が始まるのではないかと予想している。
「暴力事案の真偽はともかく、あれだけの大騒動になってしまったことで完全にヒール役になってしまいましたからね。私の周囲にも確実に“広陵離れ”が起こるという見方をしている関係者も多くいます。実際に進学先を広陵から他の有名校に変更したという話も耳に入ってきていますよ。
現在の1~2年生がいるうちはともかく、来年以降、果たして広陵はどれだけの有望選手を確保できるか……。今回の件を機に、広陵とともに“3K”と呼ばれる私学の2校に浮上の気配が漂っています」(A氏)
◆島根県・開星高校は8年ぶりに甲子園出場
A氏がいう3Kとは、広陵、開星(島根)、関西(岡山)の頭文字だ。2000年以降、中国地方でしのぎを削ってきたのがこの私学3校である。開星は2001年から17年の間に春夏合わせて10回以上も甲子園に出場。野々村直通監督の下、糸原健斗(阪神)らがいた2000年代後半に黄金期を迎えた。
しかし、2010年センバツで野々村監督の“末代までの恥”発言が炎上し、同監督は2012年3月に退任。開星はその後、勢いを失っていたが、今夏の甲子園に8年ぶりに出場し、14年ぶりの勝利も味わった。
2020年に現場復帰していた野々村監督が存在感を見せつけ、名門復活の兆しを見せたといえるだろう。

