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32歳サラリーマン「年収600万円」なのに…3LDKマンションの住宅ローンを組んだ5年後、税務署から「一通の封筒」が届いたワケ。開封後の恐怖のはじまり【IFAが解説】

32歳サラリーマン「年収600万円」なのに…3LDKマンションの住宅ローンを組んだ5年後、税務署から「一通の封筒」が届いたワケ。開封後の恐怖のはじまり【IFAが解説】

「不正受給」という言葉の重み

妻の咲さんも文書に目を通し、青ざめています。

「不正受給ってこと?」

その重い言葉に、裕太さんは頷けません。確定申告の画面に表示されていた注意書きを、ただ無視してきただけ。そんな軽い気持ちでした。

住宅借入金等特別控除とは、年末のローン残高の一定割合を所得税から控除できる制度です。裕太さんの場合、年間数十万円程度の控除を受けていました。2年間で100万円程度。「ペナルティを合わせると、一体いくら支払うことになるのか……」裕太さんは慌ててスマートフォンで〈住宅ローン控除 不正受給 ペナルティ〉と検索します。

【不正受給が確認された場合の措置について】

不正受給が確認された場合、過去に遡って控除額全額を追徴課税として納付するほか、過少申告加算税(10%〜15%程度)、重加算税(35%程度)、延滞税(年7.3%〜14.6%程度)が課される可能性がある。

「どうしよう……」支払い見込み総額を計算した裕太さんの声は震えていました。

税務署からのお尋ねは、単なる確認作業ではありません。これは本格的な税務調査のはじまりを意味しているのです。

お金のプロからの「警告」

警告1:税務署による監視体制

税務署がどのような方法で住宅ローン控除の不正申請を検知しているかについて、一般的に知られている情報をお伝えします。税務署が住宅ローン控除の不正申請を検知する仕組みは、多角的に情報を集める仕組みを作っているといわれています。

たとえば国税庁による匿名での情報提供の受付け。近隣住民や関係者からの通報で不正行為がバレてしまうケースがあるのです。個人的なトラブルや正義感から、こうした情報が寄せられることは実は珍しいことではありません。

また、税務署は市区町村役場や金融機関、不動産会社、さらには電力・ガス・水道会社などとも連携し、情報を照会する権限を持っています。これらの情報を突き合わせることで、申告内容との矛盾点をみつけだすことができます。

さらに、給与所得者の年末調整の内容と、不動産所得を含む確定申告の内容を照らし合わせたときに、住宅ローン控除の申請内容におかしな点がみつかることも。こうした情報収集の仕組みがあるため、巧妙に隠そうとしても、不正がみつかる可能性は決して低くない、と認識すべきでしょう。

警告2:金融機関による監視体制

次に、住宅ローンを貸している金融機関側の監視体制について。金融機関は、貸したお金が「自分で住むため」に適正に使われているかを継続的にチェックしており、不正利用をみつけるための手段をいくつも持っています。

たとえば、ローン残高証明書などを「転送不要郵便」で物件住所に送ることで、お金を貸した契約者が本当に住んでいるかを確認します。もし契約者がその物件に実際には住んでおらず、人に貸している場合、郵便物が戻ってくれば、不正利用の疑いが生じるのです。

特に「転送不要郵便」は、郵便局の転送サービスを設定していても届かないため、本当に住んでいるかどうかを確認するのに有効な手段です。また、金融機関の担当者が物件を訪問して、契約者以外の人が住んでいたり、明らかに賃貸物件として使われていたりする実態が確認されると、契約違反として発覚するケースもあります。

万が一、契約違反が発覚した場合のペナルティは深刻です。最も重いものとして、ローン残高の一括返済を求められる可能性があります。そうなれば、物件の売却や、最悪の場合は自己破産に追い込まれるケースも。さらには、高い金利のローンへの強制的な借り換えや、信用情報機関への事故情報登録(いわゆるブラックリスト入り)により、将来的な金融取引が大幅に制限される可能性についても知っておく必要があるでしょう。

本内容は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務相談や法的アドバイスではありません。具体的な税務処理や法的判断については、必ず税理士や弁護士などの専門家にご相談ください。

亀井 岬

株式会社アイ・パートナーズフィナンシャル

独立系資産運用アドバイザー(IFA)

※株式会社 アイ・パートナーズフィナンシャル 金融商品仲介業者 関東財務局長 (金仲) 第314号

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