「部下が指示を聞いてくれていない…」
「社内イベントの参加率が悪い…」
あんなに頼んだのになぜ?と困ってしまったことはありませんか?
実は、ストレートにお願いするだけでは、人はなかなか動いてくれないものーーほんの少し工夫するだけで、聞いてもらえる確率はグッと上がります。
昼は経済レポーターとして上場企業の社長たちを取材し、夜は銀座ホステスとしてトップクラスのビジネスパーソンを接客してきた私が、現場で学んだ「人の心の動かし方」についてお話しします。ビジネスマンのあなたの「今日から使える武器」になれば幸いです。

◆「ホステスの誕生日=お金を使わせられそう」と思わせない工夫
夜の世界では、ホステスの誕生日をはじめとしたイベント事が多く行われます。でも、「バースデーイベントをするからお祝いに来てほしい」
と伝えるだけでは、お客様に「営業された」「人数合わせにされている」「お金を使わせられそうだ」という印象を与えてしまい、簡単に来店には繋がりません。
もちろん、ただ告知するだけでお客様を呼べるアイドル的な人気のホステスもいますが、私はそうではないので、ある工夫をしていました。
それは、お客様を“巻き込む”ことです。
◆ホステス流、相手を巻き込む方法とは?
たとえば、誕生日の1か月以上前に、そもそも「バースデーイベントを行なうかどうか」をお客様100人ほどに相談してしまいます(夜の世界では、バースデーイベントはホステス全員が必ず行なうわけではなく、ある程度お客様を呼べる自信がない限りは実施したがらないホステスが大半です)。「こういう理由で、バースデーイベントをやろうか迷っているんだけど、どう思う?」と聞くのです。
このとき、「このお客様ならきっと、こんな背景を伝えれば『やってみたら?』と答えてくださるだろうな」というストーリーを、個別に考え抜いた上で相談します。
後押ししてくれる返事がきたら、「〇〇さんがそう言ってくれたおかげで勇気が出たので、思い切ってイベントやってみます!」と伝えます。
ホステスにとって、バースデーは年に1度の一大イベントであることをお客様も知っているので、そんな大きな決断を自分に相談してくれたら特別感がありますし、「顔を出してあげなきゃな」と自然に思ってくださいます。
当時、多くの夜のお店では、1日に10~20組ほどのお客様に来ていただけたらイベント成功とされていましたが、私はお客様を巻き込むことを意識するようにしたら、1日で40組、2日間で約70組ものお客様に来ていただくことができました。

