
人生の大きな支出である「教育資金」と「マイホーム資金」を新NISAで賢く育てるには、ゴールの時期を見据えた運用の工夫が欠かせません。2027年1月からスタートする「こどもNISA」により、早期からの教育資金づくりの環境はさらに整いますが、大切なのは18歳になる前の市場の上昇局面で安全資産へ預け替えるリスク管理です。同じく、まとまった資金が必要なマイホーム運用でも、購入時期に合わせたバランス型投信の適切な選択が成否を握ります。本記事では、酒井富士子氏の著書『60分でわかる! 新NISA 超入門[改訂新版]』(技術評論社)より、教育と住宅、それぞれの資金を守りながら着実に増やすための実践的なポイントを解き明かします。
子が誕生したらすぐに「つみたて投資枠」で教育資金づくりを
子育て世代にとって、マイホーム資金と並んで大きな出費となるのが子どもの教育資金です。特に子どもが大学に進学するときには、大学の入学金や学費などでまとまったお金が必要となるため、子どもが18歳になるまでに計画的に準備しておくことが大切です。
教育資金をつくる際には、つみたて投資枠での積立が有効です。運用期間をできるだけ長くとるためにも、子どもが生まれたらすぐにつみたて投資枠での教育資金づくりを始めましょう。
18歳になるギリギリまで積立を続けてはいけないワケ
ただし、子どもが18歳になるギリギリまで積立を続けることはおすすめできません。なぜなら、子どもが18歳になるタイミングと市場の下落局面が重なった場合、せっかく運用してきた資産が減ってしまい、教育資金が足りなくなる恐れもあるからです。
そのため、子どもが15歳から18歳になる間に市場の上昇局面が訪れたら、そこでつみたて投資枠を解約し、運用益を確定させ、元本割れのない定期預金や個人向け国債に預け替えるとよいでしょう。解約のタイミングを逃さないためにも、子どもが15歳になってからは、市場の動向を日頃からチェックするように心掛けましょう。
[図表1]教育資金は18歳になる前に預け替える 出典:『60分でわかる! 新NISA 超入門[改訂新版]』(技術評論社)より抜粋
図表2のグラフは、月3万円を年5%で運用した際の資産の推移を示したもの。この計算では子どもが15歳になる時点で約800万円の教育資金をつくれることがわかります。この時点でつみたて投資枠を解約して、定期預金や個人向け国債に預け替えても十分です。
[図表2]月3万円を年5%で運用するといくらになる? 出典:金融庁「資産運用シミュレーションで試算」をもとに作成
まとめ
□つみたて投資枠は途中で解約し、安全商品に預け替える
□積立投資なら、十分な教育資金を形成することも可能
「マイホーム資金」をつみたて投資する際は「商品選び」に注意
マイホーム資金は、老後資金、教育資金と並んで「人生の3大支出」の1つといわれ、大きな金額となるため、前々から計画的に準備する必要があります。
貯金でコツコツ貯めていく手もありますが、一部の資金をつみたて投資枠に回して運用することで、非課税メリットを受けながら、必要額をつくるスピードをアップしたいところです。
つみたて投資枠でマイホーム資金をつくる際に注意したいのが、投資する商品の選び方です。マイホームを購入したい時期によって投資期間が10年以内となる場合は、元本割れのリスクも高くなるため、株式型100%による積極運用はあまりおすすめできません。それよりも、値動きの小さいバランス型を選択するとよいでしょう。
ただし、図表3のように、バランス型にも「成長型」「安定成長型」「安定型」という3つのタイプがあり、資産の保有状況によって選ぶべきタイプは変わります。
[図表3]バランス型の中から自分に合ったタイプを選ぶ! 出典:『60分でわかる!新NISA超入門[改訂新版]』(技術評論社)より抜粋
定期預金などで一定の貯蓄がすでにある場合には、ある程度のリスクをとって「成長型」を選び、マイホーム資金を積極的につくっていくとよいでしょう。なお、バランス型の代表的商品である8資産均等タイプも「成長型」に該当します。
一方、充分な貯蓄がない場合には、ミドルリスク・ミドルリターンの「安定成長型」、もしくはローリスク・ローリターンの「安定型」を選び、リスクを取りすぎない安定運用を心掛けましょう。
まとめ
□マイホーム資金は、節税メリットのあるつみたて投資枠で形成する
□資産の保有状況によって、選ぶべきバランス型投信が変わる
酒井 富士子
株式会社回遊舎 代表取締役
経済ジャーナリスト
ファイナンシャル・プランナー
