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道路上に「段差解消プレート」設置で罰金「50万円」? 拘禁刑や損害賠償の可能性も…弁護士が警告する“違法性”

道路上に「段差解消プレート」設置で罰金「50万円」? 拘禁刑や損害賠償の可能性も…弁護士が警告する“違法性”

6月初頭、船橋市(千葉県)が公式Xアカウントで「道路に物を置かないで」と呼びかけ、話題になった。

問題となったのは、道路と駐車場などの敷地との間にある段差を解消するための「乗り上げブロック(段差解消プレート)」だ。船橋市は投稿のなかで「道路上にみだりに置くことは、法律で禁じられています」と注意喚起している。

しかし、乗り上げブロックは街中で日常的に見かけるものであり、なければ車の行き来が不便になることも確かだ。それでも道路上に置くことは違法になるのだろうか。弁護士に聞いた。

罰則は「1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」

交通に関する法律に詳しい荒川香遥(こうよう)弁護士(弁護士法人ダーウィン法律事務所代表)は「結論から言えば、公道上に段差解消プレートを置く行為は、道路法に違反する可能性があります」と語る。

道路法43条2号は「道路に土石、竹木等の物件をたい積し、その他道路の構造又は交通に支障を及ぼすおそれのある行為」を禁じており、公道にプレートや鉄板を設置する行為はこれに該当すると考えられる。

さらに、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金という罰則も定められている(同法102条)。

なぜ道路法は乗り上げブロックなどの設置を認めないのか。荒川弁護士は、「道路上に置いていいもの」と「置いてはいけないもの」は単純に区別されると語る。

「道路とは本来、『誰でも自由に通行できる状態』を保つための公共空間です。そのため、私的な物を置くこと自体が、原則的に禁止されています。

例外は、道路管理者の道路占用許可(32条)を受けた場合だけです。具体的には、電柱・標識・工事用の囲い・看板などが、この許可を得て設置されています。

乗り上げブロックは個人が私的便益のために設置するものなので、通常この許可は下りにくく、結果として『置いてはいけないもの』に分類されるのです」(荒川弁護士)

私有地に設置しても違法となるケースが…

冒頭で紹介した船橋市のX投稿には「ホームセンターなどでも普通に売られているのに」と戸惑う反応が見られた。

たしかに、店舗でも当たり前のように売られているものが違法であるとは想像しづらい。しかし、ホームセンターなどで売られているかどうかは、その設置が合法かどうかとは関係がない。

違法となるか合法となるかを分けるのは、乗り上げブロックが「道路法上の道路」に設置されているか私有地に設置されているかだ。

「道路法が規制するのは、国道・都道府県道・市町村道といった『公道』(2条)です。

したがって、自分の所有する駐車場など私有地の敷地内に乗り上げブロックが完全に収まっていれば、道路法上の道路に設置されているわけではないので、43条が及ばず原則として適法になります。

しかし、ブロックの大半が私有地側にあっても、一部でも公道にはみ出していれば、道路法違反になり得ます」(荒川弁護士)

さらに問題が複雑となるのが「私道」に置くケースだ。

所有者だけが使う閉じた私道であれば道路法や道路交通法における「道路」には該当しないため、乗り上げブロックを設置する行為も法律に問われないと考えられる。

しかし、不特定の人や車が実際に通行している私道は、道路交通法上の「道路」に該当し、道路交通法76条(禁止行為)の規制対象となる可能性がある。つまり、「私道であれば乗り上げブロックを自由に設置できる」とも言い切れないのだ。

「整理すると、私有地内に収まるなら問題ない、公道にはみ出していれば違法、私道については通行実態に左右される、ということです。

船橋市の注意喚起については、乗り上げブロックが公道にはみ出して設置されているケースを念頭に置いたものでしょう」(荒川弁護士)

民事上の損害賠償が発生する可能性も

乗り上げブロックを設置する行為については、道路法違反という行政上・刑事上の問題とは別に、民事上の損害賠償責任が生じる可能性もある。

たとえばブロックがずれて道路と敷地の間に隙間ができている場合や、夜間に見えにくい状態で放置されている場合には、歩行者や自転車がブロックにつまずいて転倒し、ケガをするおそれがある。

この場合、ブロックを設置・管理していた所有者は不法行為責任(民法709条)を問われる可能性がある。

さらに、ブロックを地面に固定させて設置した場合には「土地の工作物」と評価される可能性がある。この場合、ケガや事故が発生したら、設置や保存に瑕疵(かし)があったとして工作物責任(民法717条)が問われることがあり得る。

その場合、土地の工作物の所有者は、、過失の有無に関わらず損害賠償責任を負わなければならない。

「乗り上げブロックを設置する行為は、道路法に違反する可能性に加えて『事故が起きれば自分が賠償責任を負いかねない』という民事リスクも併せ持っているということを、くれぐれも心に留めておいてください」(荒川弁護士)

配信元: 弁護士JP

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