
◆東京23区で儲かる民泊エリアは?
民泊が副業として最強なのは、ホストである投資家の利益はもちろん、オーナーに不動産活用で恩恵を与えられる、インバウンドのゲストにも日本での素晴らしい体験を提供できる、さらには施設が所在する地域の雇用創出に繋がり、地域貢献ができることです。空いている部屋を民泊として活用し、外国人との会話を楽しみ、交流を深める。サラリーマンや本業を抱えている事業主が「副業」として民泊を行いたいのであれば、運営代行会社を利用するのがベストでしょう。
では、「儲かる」民泊エリアはどこでしょうか。昨今、物件の確保が非常に難しくなっているため、ターゲットにすべきエリアの優先順位を、あらかじめ決めておくことが重要です。優先順位をつけて、スピーディーに意思決定しなければなりません。まず東京23区ですが、優先順値は、次の(1)から(3)です。
(1)Sクラス東京23区:渋谷区、港区、新宿区、墨田区、台東区
(2)Aクラス東京23区:品川区、葛飾区、文京区、豊島区
(3)Bクラス東京23区:北区、目黒区、江戸川区、世田谷区、中野区、大田区
東京駅や神田・秋葉原などを抱える千代田区、また銀座・日本橋など日本を代表する商業施設のある中央区など、不動産投資で人気の千代田区と中央区の2つがSランクでないのに驚かれたかもしれません。
理由は単純で、この2つの区は「民泊営業がやりにくいエリア」だからです。民泊新法の規制に対し、区独自のいわゆる「上乗せ条例」があり、民泊運営に後ろ向きなのです。
同じ理由で、荒川区、江東区も「民泊がやりづらいエリア」と考えていいでしょう。収益はあがるのですが、営業するのに行政のハードルが高いのです。
(1)から(3)のSクラス、Aクラス、Bクラスのエリアであれば、どこでも良いわけでは、当然ありません。民泊として儲かる物件は、「最寄り駅から徒歩15分以内」です。最寄り駅からの距離という点は、不動産の価値評価と同じですね。
それでは、東京23区内エリアでは、どのようにインバウンドを、自らの民泊施設に誘導すればよいのでしょうか。その導線を説明しましょう。
まず、インバウンドの方々がどこから来て、どこから去るのかというと、「成田イン・成田アウト」が基本です。すなわち、日本への入国も日本からの出国も、成田国際空港からということです。
当たり前の話ですが、実はこの当たり前のことが、いざ民泊ビジネスを副業で行おうという方が、頭からすっぽり抜け落ちてしまっていることがあります。すなわち、自分に都合のいい「インバウンド導線」を引いてしまうのです。ご自身の物件を民泊に転用する際、「インバウンド導線」を無視すると、収益化できないのでご注意ください。
◆外国人観光客が宿泊するエリア
それでは、インバウントの彼らは、どこを宿泊拠点にするのでしょうか。それは端的に言えば、山手線駅廻りの中心部となります。しかも、駅から徒歩15分以内が限度です(10分以内がベスト)。15分を超えると、タクシールート案内が必要になり、集客に影響します。では、山手線回りの中心部だけが良いのかというと、そうでもないのが難しいところです。山手線以外にもインバウンド集客に強いエリアが存在するのです。それはどこかと言うと、
(1)京成線沿い(高砂・青砥などの特急停車駅)
(2)総武線沿い(アジア系外国人在住者が多い東部地域、江戸川区、葛飾区、墨田区)
(3)西部(経堂、吉祥寺エリアまで)
(4)北部(赤羽・王子エリアまで)
(5)南部(品川・大井町エリアまで)
などです。
(1)は成田空港からのアクセスの良さ、(2)は戸建て物件が多くファミリー需要を満たすため、容易に想像できます。(3)から(5)については、魅力的な商店街があるなど、インバウントにとっての「推し活」エリアで、これは今後、変わっていく可能性もあるでしょう。
それでは、羽田空港(東京国際空港)から入国する「羽田イン・ゲスト」のインバウンドの取り込みはどうなのでしょうか。
羽田から入国するインバウンドも多いので、羽田空港のある大田区で民泊を安易に始めるプレーヤーの方もいらっしゃいますが、私はあまりおすすめしていません。なぜなら、「羽田イン」のインバウンドはビジネス客が多いからです。また、インバウンドに人気の観光地からも遠いのです。横浜エリアの民泊物件の収益化が難しいのも、そういった理由からです。
私がおすすめする戦略は、
●「ホテルと競合しない」
●「4人以上のファミリー客を獲得する」
というものです。そんな物件を探すことのできたあなたはもう「勝ち組」です。

