◆全国の稼げる民泊エリア
次に、東京23区以外でインバウンドに人気の地方の大都市や、日本人にも人気のリゾートエリアを見てみましょう。北海道から沖縄まで、おすすめエリアは次のとおりです。(1)北海道・東北エリア――札幌市中心部・函館市中心部
(2)北陸エリア――金沢市内・飛騨高山
(3)関東・甲信越エリア――軽井沢町・熱海市・箱根町・山中湖・河口湖
(4)関西エリア――京都市中心部・大阪市中心部・奈良市
(5)九州エリア――福岡市博多区・中央区中心部
(6)沖縄エリア――那覇市中心部・北谷町・読谷村・恩納村
このうち一部を簡単に説明すると、(1)「北海道・東北エリア」は、札幌市街・函館市街が手堅いです。それ以外に、「パウダースノー」のニセコなど、欧米のインバウンドに人気で高級ホテルも続々と生まれている一方、日本人にも人気なだけに、宿泊施設の不足から民泊需要が見込まれます。
(5)「九州エリア」は、日本の中で経済発展が見込まれる九州という有利さと、お隣の韓国からの訪客だけでなく、日本人にも人気が高いエリアだけに、今後、民泊需要の増加が想定されます。ただ、中心部以外は人気がないので、博多駅や天神駅が近い場所で営業したほうが堅いと思います。
いずれにしても、(1)から(6)のエリアで、内装が綺麗めのゲストが居心地のいい物件で民泊ビジネスを始めれば、地方都市といえども大きく失敗することはないと考えます。
◆家賃収入より大幅に稼げる実例
最後に、私が手掛けている民泊物件をいくつかご紹介します。【事例1】台東区浅草マンション(3室)
2025年4月売上=279万6950円

インバウンド日本観光の中心地、浅草にある物件です。こちらの物件は1Lで40㎡あり、6人のゲストを収容できます。ホテルで5人家族が宿泊すると、1人2万円として10万円かかります。一方、1泊5万円という価格設定なので、ホテルの半額で宿泊できます。
1か月20日稼働したとして、100万円の収入。利益率50%ならば粗利が50万円となり、賃貸に出した場合の家賃月15万~16万円と比較して、大幅に儲かることになります。このように、6人以上を収容できる「大箱」物件は、ホテルと完全に差別化され、高収益となります。
【事例2】北区王子マンション(1室)
2025年4月売上=84万8500円

東京都北区ということで、当初はネガティブな見方をしていました。と言うのは、インバウンド導線に乗っていない、すなわち外国人が来ないエリアではないかと考えたからです。しかし、蓋を開けてみると、儲かる物件でした。
それは2Lで50㎡という「大箱」による収容効果でした。ゲストを8人収容できるのです。
京浜東北線・王子駅から徒歩7分、池袋にも近いという地の利もあります。家賃だと月13万円程度ですが、民泊としては月70万~80万円を見込めます。たとえ30万円の収入でも、利益率50%で15万円を粗利として取れれば、家賃を上回ることになります。

