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わずか8年で価値は80倍に!…富裕層がビットコインを重視する「納得の理由」

わずか8年で価値は80倍に!…富裕層がビットコインを重視する「納得の理由」

近年、ビットコインへの注目はますます高まっています。資産の一部として位置づけられ、本格的な法整備が進んだことも記憶に新しいでしょう。ハッキング事件や市場の急落など不安要素もあった中で、なぜぜビットコインを重視する富裕層が増えているのでしょうか。宮脇さき氏の著書『世界の新富裕層はなぜ「オルカン・S&P500」を買わないのか』(KADOKAWA)から一部を抜粋・再編集し、詳しく解説します。

ビットコインは金の上位互換

ビットコインが注目される背景には「インフレに強いデジタル・ハードアセット」としての側面があります。

円やドルなどの法定通貨は国の方針次第でどんどん発行される可能性があり、実際に歴史を振り返れば、多くの国で通貨の供給量は増加し続けてきました。その結果としてインフレが進行し、私たちが汗水流して稼いだり、大切に増やしたりしてきたお金の価値が目減りしてしまうという事態が起こっているのです。

その点、ビットコインは金と同じように発行量に上限(最大2,100万枚)が決まっているため、この上限を超えて新たに発行されることはありません。この「限りがある」という性質が、長期的に価値を保存する力になっているのです。

現在では、新しい時代の価値を保存する手段として「ビットコインは、金の上位互換である」と捉えている投資家も少なくありません。

さらに、2024年には約4年に一度、「半減期」と呼ばれる重要なイベントがありました。これは、新たに発行されるビットコインの量が半分になるタイミングのことで、供給が減ることで価格が大きく上昇しやすくなる傾向があります。過去の半減期を振り返っても、同じような動きが見られてきました。

そして今後は、ビットコインを取り巻く市場そのものが整備され、より多くの人々が安心して参加できる環境が整っていくでしょう。今ではアメリカでも、ビットコインを公的な「準備資産」の一部として法的に認める動きが現実のものとなりました。

例えば先日、ニューハンプシャー州の財務長官が公的資金の最大5%をビットコイン(およびその他の適格なデジタル資産)に投資することを承認する法案・HB302をアメリカで初めて成立させました。

この法律は、ビットコインを州の戦略的準備金として公式に組み入れる道を開くものであり、画期的な出来事として報じられました。ニューハンプシャー州に続き、アリゾナ州などでも同様にビットコインを州の準備資産として認める法案が可決されるなど、州政府レベルでのビットコイン採用の動きが具体化し始めています。

こうした流れから、ビットコインはもはや単なる投機的な資産という位置付けを超えつつあります。国や自治体などの公的機関が、価値保存の手段あるいは戦略的な準備資産としてビットコインを正式に認知し、実際に活用し始めていることを示す、非常に重要な兆候です。

2025年3月には、アメリカのトランプ大統領が、ビットコインを含むデジタル資産を国家戦略として位置付け、戦略的な準備資産として採用する、大統領令に署名したとの報道がありました。

またブラジルでも、国家の準備資産としてビットコインを取り入れる法案が議会に提出されたと報じられています。さらに、カナダのバンクーバー市では、市の財政運営戦略にビットコインを組み入れる検討を始めたことを公式に発表しています。

このように、世界各地の政府や自治体がビットコインを正式な財政戦略の一環として位置付け始めていることは、ビットコインが次の時代の新たな準備資産として受け入れられつつある証拠だと言えるのです。

資産を育てるのはブレない「ホールド力」

私自身は、2017年の大学2年生の時に暗号資産と出会い、それ以来、毎月一定額をコツコツと積み立ててきました。

2017年5月当時、1BTCが約20万円だったものが、2025年7月現在では約1,700万円に達しています。仮に2017年に20万円で1BTCを購入してそのまま保有し続けていれば、その価値は約8年で数十倍以上になった計算になります。

もちろん、暗号資産への投資は平坦な道のりではありませんでした。これまでもハッキング事件や市場の急落など、投資家の不安をかき立てる出来事が何度も起こっています。

例えば、2024年5月には日本の取引所である、DMMビットコインが大規模な不正流出被害を公表し、顧客資産の保全や取引所の信頼性について改めて大きな議論を呼びました。

それ以前にも、2014年のマウントゴックス事件や、2018年のコインチェック事件など、国内外で暗号資産取引所がハッキング被害を受け、顧客資産が流出したり、取引所機能が事実上停止に追い込まれたりする事例が繰り返し発生してきました。

こうしたさまざまなリスク要因に直面したことで、投資を中断したり、恐怖心から市場そのものから撤退したりした個人投資家も少なくありません。

それでも、私の周囲で暗号資産によって実際に資産を築いた方々に共通しているのは、「長期的な視点」と「一貫した信念」を持ち続けていたという点です。

一時的な価格変動や市場の熱狂、悲観に振り回されることなく、市場の動きを冷静に見極めながらタイミングを分散させて買い増しを続けるなど、着実に資産形成に取り組んでいました。

2018年のコインチェック事件をはじめ、業界を揺るがすニュースが出るたびに「ビットコインなんて、危ないからやめた方がいいよ」と、周囲に何度も言われてきました。

実際に多くの人が暗号資産から離れていきましたが、私はむしろそのような時にこそ、あえて積極的に買い増したり、信頼できる投資家仲間やその分野の専門家たちに直接会って、暗号資産の将来性やリスクについての話を聞いたりするようにしました。

勉強会やコミュニティに参加し、現場でリアルな経験をしている方々の声に触れることで、「自分も、このまま信念を持って続けていこう」という確信を持つことができたのです。実際に資産を増やしている人たちの姿や言葉は、私のホールド力を支える大きな要因になりました。

その後も、紆余曲折はありましたが、基本的にビットコインを持ち続けています。特に大切なのは、ネットやSNSにあふれる不確かな情報ではなく、本当に知識と経験のある専門家や信頼できる投資家から直接話を聞き、自らの経験を通じて学び、主体的に行動すること。こうした努力の積み重ねこそが、安定した資産形成につながるのです。

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