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汗臭、生乾き臭、ワキガ臭……。「ニオイ問題」に直面している人は多いのではないか。同僚や友人など、関係性の近い人が独特のニオイを漂わせていたら、どう対応するのが正解なのか。センシティブな事柄なだけに伝え方は非常に難しい……。
広告代理店で営業職をしている河原睦美さん(仮名・28歳)は、先輩社員とデートしている際、まさにそんなシチュエーションを体験したという。

◆会社の先輩とサッカー観戦に
「5年ほど前の話になりますが、同じ部署の先輩と良い感じになったことがありました。会社の飲み会で意気投合して、休日に共通の趣味であるサッカーを観に行くことになったんです」観戦中も先輩との話題は尽きず、盛り上がったという。
「先輩はあれこれと気を回してくれました。集中して試合を観たいはずなのに、私のために途中で飲み物や食べ物を買ってきてくれたりして。前から先輩のことが気になっていましたが、改めて良いなと思いました」
◆良い雰囲気だったのに「強烈なニオイ」が…
その後、打ち上げと称して個室居酒屋に行くことに。「そこでは恋愛トークで盛り上がって、かなり良い雰囲気だったと思います。でも、気になることがひとつ。なぜか、ひどい悪臭がするんです。嘔吐物や排泄物を思わせる強烈なニオイでした。完全な個室というわけではなかったので、隣の席でくさやでも食べているのではないかと思いました。そんな気になることがありつつも、先輩から『この後うちでサッカーでも観ない?』と誘われて……」
時刻は22時に迫ろうとするころ。部屋に行ったら恐らく終電を逃すことになる時間帯だ。河原さんはドキドキしながら先輩の誘いを承諾した。二人で店を出たが、すぐに違和感を覚えたという。
「外に出てもあのニオイがするんです。彼の家に行くため、駅に向かって歩いていても、とにかく悪臭が気になってしまい……口数も少なくなっていました」

