男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。
出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで...この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。
― あの時、彼(彼女)は何を思っていたの...?
誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。
さて、今週の質問【Q】は?
▶前回:何度も会っていい雰囲気なのに…。彼の“本命彼女”になれない決定的な理由とは
一体、何があったのだろうか。結構良い感じで進んでいたはずの美帆から、返信がこない。
― Satoru:美帆ちゃん、元気?そろそろご飯行こうよ。
そう三日前に送ったLINEは、いまだに未読スルーのまま。
最初に会ったときは信じられないくらい盛り上がり、二度目に会った時も、2軒目まで行き深夜まで一緒に過ごした。
それに、美帆は「結婚を考えられる、彼氏が欲しい」と言っていた。
僕は結婚願望があることも伝えているし、美帆への好意もちゃんと口にしていた。
それなのに、どうして美帆から急に連絡が返ってこなくなったのだろうか…。
美帆とは、友人の紹介で出会った。最初は友人と美帆の三人でご飯へ行くことになった。
その友人から、「たぶん悟のタイプだと思うよ」とは聞いていた。
これまでに何人か紹介されたこともあるが、そこまで「いい」と思う人には出会あってこなかった。
食事会だって同じこと。経営者という僕の肩書きに惹かれて寄ってくる女性は多いけれど、僕の方から真剣に好きになった女性は少ない。
しかし、美帆は違った。最初にひと目見た瞬間に、僕の中で何かが鳴った。
「こんばんは。美帆です」
高身長に、長い手足。綺麗なロングヘアに、猫っぽいちょっとキツそうな顔。
― この子、すっごく可愛いしタイプかも。
基本的に男性は最初に会った時に、既に“有りか・無しか”を無意識のうちに選別している気がする。
最初に“無し”と思った人をその後で好きになる確率は限りなくゼロに近い…いや、マイナスレベルかもしれない。
その一方で、最初に“マジでいい”と思った女性は、その先何があっても許せるくらい好きになる。
この定義で言うと、美帆は完全に後者だった。
「美帆ちゃんは、何の仕事をしてるの?」
「私はディベロッパー系の会社に勤めています。悟さんは?」
「僕はIT系の会社を経営していて。最近はAIにも特化してるよ」
「そうなんですか!すごいですね。色々教えて欲しいです」
「うん、もちろん」
こうして、最初に出会った日は話も盛り上がり。2軒目は結局美帆と二人で行き、気がつけば深夜24時を過ぎているくらいだった。
「美帆ちゃんって、可愛いし話も上手だし…絶対モテるよね」
「そんなことないですよ。悟さんも、こんなにもカッコいいのに優しいし…そっくりそのまま、お言葉お返しします♡」
側から見れば、ただの酔っ払いの会話だったと思う。でも二人とも、かなり距離を近めながら盛り上がっていた。
そして翌日、僕は早速美帆にLINEを送った。
― Satoru:美帆ちゃん、昨日はありがとう!来週金曜、二人でご飯でもどうですか?
すぐに「是非」と返信が来たので、出会った翌週、二人でディナーへ行くことになった。
店選びは少し迷ったけれど、初めて行く創作和食の店にした。「こじんまりとしているが美味しい」と聞いており、以前から気になっていた店だった。
ただ実際に店へ入ると、少し動揺した。想像以上に店の年季が入っていたからだ。初デートにしては渋すぎたかな、そんなことを思っていると美帆がやってきた。
「先日はありがとうございました。楽しかったです」
美帆の言葉に、僕は大きくうなずく。
「こちらこそ。楽しかったね」
「このお店、よく来られるんですか?」
「ううん、僕も初めて来た…大丈夫だった?」
カウンター席のみの店だったが、客が僕たち二人しかいない。
― こんなに空いていて大丈夫かな…。
少し不安になったけれど、美帆はまったく気にしていない様子だ。
「え?もちろんです。店内の雰囲気も味があっていいじゃないですか。こういう、昔からある地元密着型のお店、好きなんです」
この言葉を聞いて、改めて「この子、いい子だな」と思ったのは言うまでもない。
そして何より。とにかくこのデートが楽しかった。
店は若干古かったが、デートはとても順調に進んだ。
食事も美味しかったし、少しぶっきらぼうな感じの店主がまた良い味を出しており、二人で思わず顔を見合わせて笑ってしまったほどだ。
「美帆ちゃんって、何かNGとかないの?」
「NGですか?」
「例えば、男性のこういうところが嫌いとか…」
「何だろう?強いて言うなら…男らしい人が好きです」
「男らしい人?」
「引っ張っていってくれるような人が好きですね。あと身長高い人がいいな」
僕の身長は、180cmだから低い方ではない。そして何より、男気があるとよく言われる。
「そうなんだ!」
相づちをうつ僕の顔は少しニヤついていたと思う。
「悟さんは?どういう人が好きなんですか?」
「僕は可愛らしい人かな。逆に、暗い感じの人は苦手かも。ネガティブなことばかり言ったり、人の悪口言ったりする人は嫌いなんだよね。あと自分より横幅がある人も無理かな」
「一緒にいて、楽しい人がいいですもんね」
「そうそう!美帆ちゃんは、明るい感じがしていいよね」
「嬉しいです」
このデート中、僕は彼女をちゃんと褒めていたし、さりげなく好意も伝えていた。そして何より、僕はとても気を使っていた。
「というか、美帆ちゃん寒くない?大丈夫?」
美帆はノースリーブを着ていたので、何だか寒そうに見えた。それに、温度を気にしてあげるのはデート中の優しさというもの。
「うん、大丈夫だよ。ありがとう」
「本当に?でも言うよ」
こうして、僕は店主にクーラーの温度を変えてもらうようにお願いもした。
「すみません、ちょっと女性が寒がっているので、温度上げてもらえますか?風量も、もう少し緩やかにして下さい」
そんな僕を、美帆がじっと見つめてきた。
「ありがとう。そんなに気を使わなくていいのに」
「ううん。美帆ちゃんが、風邪をひいたら大変だから」
「ありがとう。悟くんって、優しいんだね」
「いやいや。そもそも、ちょっと寒過ぎたよね」
そんな気遣いも見せつつ、デートは進んでいく。食事も終盤に差し掛かり、一通り盛り上がった辺りで、僕は少しだけ核心に迫る。
「美帆ちゃんは、今彼氏とかいないの?」
「本当にいないです。むしろ、すごく結婚願望があるんですが…」
美帆は可愛いから、ひく手数多だろう。しかし美帆の「彼氏がいない」という言葉に嘘は感じない。
「意外だね。ちなみに、僕も結婚願望あるよ」
「本当ですか?悟さんみたいな人が独身というのも、奇跡ですね」
結婚願望がある彼女に、僕も結婚願望があることも伝えたし、優しく接した。そんな僕の言動に対し、美帆も何かを感じてくれたようだ。
「この後、どうする?この店、若干話しにくいから、もう1軒どうかなと思って」
そう聞くと、美帆はニコニコと「行きましょう」と答えてくれたので、会計を済ませて外へ出る。
「ご馳走さまでした」
「いえいえ。店、大丈夫だった?微妙だったらごめんね」
「全然ですよ!むしろ美味しかったです」
「本当に?次からはもう少し、店選び気をつけるね。次は、結構良い雰囲気の店だから」
僕たちは、タクシーで西麻布の方へ移動した。
この移動のタクシー代も出したし、2軒目ももちろん僕が出した。
そして2軒目はすっかり盛り上がって、気がつけば終電の時間は過ぎており、24時を回っても話し込んでいた。
「今日、すっごく楽しかったね」
「本当に。ありがとうございました」
「またすぐにね」
初対面の時も初デートも流れも良かったし、美帆も楽しんでいたように見えた。
それなのに、どうして既読スルーが続いているのだろうか…。
▶前回:何度も会っていい雰囲気なのに…。彼の“本命彼女”になれない決定的な理由とは
▶1話目はこちら:「あなたとだったらいいよ♡」と言っていたのに。彼女が男を拒んだ理由
▶NEXT:6月28日 日曜更新予定
実は女は、デート中にNGを出していた!?その言動とは?

