
Netflix映画『木曜殺人クラブ』独占配信中
日本を筆頭に世界中で高齢社会が進んでいるためか、近年はシニア世代が活躍する映画が数多く公開されています。この8月末から配信開始されたNetflix映画『木曜殺人クラブ』もそのひとつで、超高級シニア施設で探偵ごっこを楽しむお年寄りをヘレン・ミレンやピアース・ブロスナンといった有名俳優が演じて話題となりました。
そこで今回は、シニア施設や老人ホームを舞台に、元気なシニアが活躍する映画に注目。ユーモアにあふれた味わい深い3作品を紹介します。
推理好きのシニア4人組が本物の事件に挑む痛快作!
『木曜殺人クラブ』
Netflix映画『木曜殺人クラブ』独占配信中
探偵ごっこをして楽しんでいるお年寄り4人組が主人公のミステリー映画で、原作はリチャード・オスマンによる同名のベストセラー小説、監督は『ホーム・アローン』や『ハリー・ポッターと賢者の石』などのクリス・コロンバス監督が務めています。
イギリスの高級シニア施設に入居している切れ者のエリザベスは、元労働組合長のロン、元精神科医のイブラヒム、新たに仲間に加えた元看護士のジョイスとともに、毎週木曜に「木曜殺人クラブ」と称して、迷宮入りした殺人事件の謎解きを楽しんでいます。そんななか、身近な人物が不審死する事件が発生。エリザベスら4人は、地元の若い女性警察官を仲間に引き入れながら、事件の犯人探しを始めますが……。
Netflix映画『木曜殺人クラブ』独占配信中
なんといってもキャストが豪華。エリザベス役には『クイーン』のヘレン・ミレン、ロン役には5代目ジェームズ・ボンドのピアース・ブロスナン、イブラヒム役には『ガンジー』のベン・キングズレーと、過去に演じたキャラクターのイメージを活かした強力な布陣。特にヘレン・ミレンは、変装して、走って、車を飛ばして、ただ者ではない活躍ぶりで、実にかっこいい!
さらに、ジョイス役には『ブリジット・ジョーンズの日記』シリーズなどで知られるセリア・イムリー、エリザベスの夫役にはジョナサン・プライスと、ベテランたちによる安定感と深みのある演技も見どころ。
Netflix映画『木曜殺人クラブ』独占配信中
認知症や寝たきりといった老いの現実も描きながら、まだまだパワフルなシニア4人組が役割分担しながら鋭い推理で事件に挑む姿が痛快です。

『木曜殺人クラブ』
2025年製作
Netflixで独占配信中
おじいさんがスパイデビュー!? 心温まるドキュメンタリー
『83歳のやさしいスパイ』
『83歳のやさしいスパイ』©2021 Dogwoof Ltd - All Rights Reserved
高齢男性1名募集、という探偵社の妙な求人に応募した83歳のセルヒオ。彼に託された仕事は、特養ホームへの潜入調査。ある依頼者が、母親が虐待を受けているのではないかと疑い、特養ホームの調査を依頼してきたのでした。
携帯電話さえ満足に使いこなせないのに“スパイ”デビューすることになったセルヒオは、小型隠しカメラや暗号を使って、調査に乗り出すものの、気が付けば入居者の話し相手となり相談相手となり、すっかり打ち解けていきます。なかには紳士的なセルヒオに恋をする女性も。はたして彼は任務を果たせるのでしょうか。
『83歳のやさしいスパイ』©2021 Dogwoof Ltd - All Rights Reserved
本作は創作映画のようですが、なんとドキュメンタリー。舞台となったホームも出演者も課された任務もすべて実在しています。もちろん隠し撮りをしているわけではなく、高齢者施設の日常を記録するドキュメンタリー、としてカメラを入れていたといいます。
『83歳のやさしいスパイ』©2021 Dogwoof Ltd - All Rights Reserved
スパイとなったセルヒオが、ホームの大部分を占める女性入居者たちの暮らしを目の当たりにして感じた悲哀が、ストレートに伝わってくる本作。家族のいない人、いるけれど会いにきてもらえない人、さまざまな境遇の女性たちにセルヒオが優しく語りかけ、ぽつりと答える、そんな何気ない会話に陽だまりのような温かさを感じます。もしかしたら彼女たちの心を覆う孤独感の厚い壁が少しだけ崩れたかもしれない、そんな瞬間をカメラが静かに映し出しています。

『83歳のやさしいスパイ』
2020年製作
DVD ¥4,180
販売元:アルバトロス
©2021 Dogwoof Ltd - All Rights Reserved

