料理家・長尾智子さんの新連載が始まりました。日々の食卓にまつわる小さなお話とレシピ、“作って食べて暮らす”こと。長尾さんがエッセイで綴る「おいしいニュー・スタンダード」の第2回は、これからの暑い季節にこそ作ってほしい、オーブンで焼くトマトスープから広がるお話です。

すっきりとして美しい、焼いて作るトマトスープ。
暑さに備える準備は済んでいますか?
年々、夏が早く始まって長く続くので、今年こそ早めに夏支度して備えようと思うのですが、これがなかなか。それでも夏日は急にやってくるので、いよいよウールは不要、裏起毛のものはさっさとしまって、すっかり夏服を出して準備万端、と思ったらまさかの温度差で読めない日々。気温が高いからといって、薄着でいいかといえばそうでもなく、朝晩の気温が低めな日でも電車や建物の中の冷房は効きすぎです。スーパーで買い物をしていると、全体が冷蔵庫としか思えない冷やし方。やっぱり羽織るもの、薄手の長袖は必要なので、夏とはいえ守りの態勢を怠るわけにはいきません。そんな調子で細かな調整は続きます。
さて毎日の料理は、どんな夏支度をしよう。
今年から習慣にしてほしいと思っているものがあります。それは、オーブンで焼いて作るトマトスープ。暑い夏にオーブン? と思うかもしれませんが、季節を問わず、お任せできる調理家電の代表格なんですよ。もちろん、キッチンが暑いのはたまらん、とは思うのですが、お鍋で煮続ける暑さと蒸気、どちらを取るかというと、私はオーブンを選ぶことも多くなって、意外なことに気楽になって繰り返し作っています。特に、野菜を焼くこと、そして中でもトマトを焼くことについては、これはもう完全に定番です。

