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定年退職金で「熱海のリゾマン」を買いました…貯金残高5,000万円・神奈川県在住60代夫婦の“正直な感想”【CFPの助言】

定年退職金で「熱海のリゾマン」を買いました…貯金残高5,000万円・神奈川県在住60代夫婦の“正直な感想”【CFPの助言】

リゾマンは安価な反面、買い手が見つかりにくい

リゾマンの主なデメリットは以下の3つです。

・買い手が見つかりにくい

・維持費が高額になりやすい

・管理組合が十分に機能していないケースがある

特に「買い手が見つかりにくい」という点は深刻で、近年はリゾマン市場の流動性が低下している傾向がみられます。

公益財団法人不動産流通推進センターの公表資料によれば、全国におけるリゾマンの販売戸数は平成22(2010)年の594戸から、令和5(2023)年には46戸と、約10年で10分の1以下にまで減少。この数字からも、需要が縮小し市場が冷え込んでいることがわかります。

出所:公益財団法人不動産流通推進センター「2025不動産業統計集」をもとに筆者作成 [図表]全国のリゾートマンション販売戸数(平成22年~) 出所:公益財団法人不動産流通推進センター「2025不動産業統計集」をもとに筆者作成

物件が売れ残ると、その間も毎月の管理費や修繕積立金を負担し続けることになるため、家計にとって大きな打撃です。したがって、リゾマン購入を検討する際には、価格だけでなく維持費や将来的な売却のしやすさまで含めて、慎重に判断する必要があるでしょう。

売却の難しさを痛感…安藤夫妻の「その後」

安藤夫妻が不動産業者に売却を依頼して1年半が経過したころ、ようやく購入希望者が現れました。

しかし、その間に支払った管理費や修繕積立金などの維持費は総額で100万円近くに達し、当初の購入費用と同額ほどの出費となってしまいました。

思い返せば、この物件を勧めてきたBさんも、売却に苦労していたために安藤さんに声をかけたのかもしれません。安藤さん自身もリゾマンのデメリットについて事前に理解していたつもりでしたが、実際に売却活動を経験してみると、想像以上に大変であることを思い知らされました。

「使わなくなったら売ればいい」と単純に考えていたものの、現実には買い手がなかなか見つからず、その間も維持費がかかり続けるという厳しい現実に直面したのです。

最終的に物件を手放すことはできたものの、「もう2度とリゾマンには手を出さない」と、“卒業”を誓った安藤さんなのでした。

辻本 剛士
神戸・辻本FP合同会社
代表/CFP

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