そこで、すこし日本にゆかりのある外国人に「日本の印象」を聞くことで、我々が忘れかけていた日本の素晴らしさに改めて気づくことができるかもしれません。

◆夜の幻想的な浅草寺に息をのむ

「東京という大都市なのにとても清潔で、人々がきちんとルールを守っているんです。地下鉄でもみんなが整然と並んで、割り込みする人がいません。アメリカとは違います」
地域にも寄りますが、アメリカでは電車やバスの乗車時に必ずしも列ができるとは限りません。人がいっせいに乗り込もうとする光景も珍しくなく、「順番を守る」ことが徹底している日本の公共交通は、リオさんにとって新鮮な驚きだったのです。
日本に到着した初日の夜、ホテルに荷物を置いて浅草寺を訪れたリオさん。
「巨大都市・東京の真ん中にある美しい伝統的なお寺でした。行ったときはすでに屋台は閉まっていましたが、私たち家族も参拝をして、おみくじを引きました。
翌朝は人工の島・お台場へ、そして秋葉原へも行きました。朝の澄み切った青空と、冷たい空気の清々しい香りを今でも鮮明に覚えています」
言葉を一つひとつ丁寧に選びながら、静かな口調で話すリオさん。短い滞在ながらも、東京の昼と夜の表情の違いや、街ごとの個性に触れることで、すべてが新鮮で、心に強く焼きついた旅になったといいます。
◆車窓から見た森と霧の景色が旅を彩る
翌朝、電車で京都を経由して兵庫県の城崎温泉へ向かったリオさん。道中、車窓から見えた自然が印象的だったそうです。「日本の歴史の深さを感じました。日本の森はとても神秘的で、山から霧が立ち上がる景色が本当に美しかったです。村や森林などの田舎の風景もすごくひかれました」
生まれて初めての日本旅行を、真冬の12月に楽しんだリオさんですが、それには理由があったのでしょうか。
「日本の夏は暑いって聞いていたんです。アジアは全体的に湿気があってすごく暑いので、11月か12月が最適だって。滞在中の天候はとても素晴らしかったです」

「将来は日本でハイキングやキャンプもしてみたいです。ユタ州の砂漠とはまったく違う自然なので、そのコントラストが新鮮でした」

