
序盤のMCでは、井ノ原が「トニセンのコンサートの良いところはちゃんと座れるっていうところですね。長く楽しんでいただくために、体力を温存していただいていきましょう」と呼びかけ、椅子が登場すると「俺たちも座りますかね(笑)」とリラックスした雰囲気を作り出した。また、バックダンサーについている20代前半のジュニアたちから「こんなに歌って踊れる50代は見たことない」「僕もトニセンパパさんのように格好いい大人になれたら」と言われると、坂本「いつからパパ呼びになった?」と笑い、井ノ原は「でもさ、パパでもおかしくない年齢だと思うよ」と頷いた。

ステージ上では生着替えも行われ、光GENJIの『ガラスの十代』へと続く。全身鏡を用いた演出や蛍光カラーのハンカチなど、往年のパフォーマンスが再現された。SMAPの『雪が降ってきた』ではバスケットボールを使った遊び心あふれる演出、J-FRIENDSの『明日が聴こえる』では坂本が「まだまだ行くぜー!」と力強くあおり、会場の一体感をさらに高めた。
光GENJIの『ガラスの十代』を披露した後、坂本は「ガラスの十代は10代のときに歌うべきだな」と指摘。井ノ原が「3人とも50代ですからね」と応じると、長野が「……ガラスの50代」とつぶやいた。坂本は「だいぶ老いたガラスですよ」と続け、井ノ原も「いつ割れるかわからないっていうね(笑)」と自虐ネタで盛り上げる場面も。

ライブの終盤。V6の『Can do! Can go!』では、おなじみのダンスと銀テープの発射。『サンキュー!ミュージック!』では、「少し先を歩く未来の自分」をテーマにした前向きなメッセージを届けながら、3人が1階客席へ降り、ファンとハイタッチを交わして感謝の思いを伝えた。
最後の挨拶で、井ノ原は「懐かしい曲や僕らが好きな曲をたくさん披露させていただきました。去年の11月からV6のサブスクも解禁されて、自由に曲が聴けるようになりました。でも、まだまだCDじゃないと聴けない曲があって、そういう曲はどんどんやっていけたらいいなって思っております。懲りずに続けていきますので、お互いに健康で、これからもワーキャーしていきましょう!」と呼びかけた。
長野は「皆さんの空気を読む力、乗せ上手な力、そういうところが大好きです。みなさんがいてコンサートが成り立っているんだなと毎回感じております。来年トニセンは30周年になります。これからも一緒に歩んでいけたら嬉しいなと思っております。これからもよろしくお願いします」と感謝の言葉を述べた。
坂本は「今日初めてトニセンのコンサートを観た方が、途中から何を観させられているんだろう?と思うこともあったかもしれません。しかしながら、これが我々のライブです(笑)。普通のライブをやることもできたはずです。でもできない理由が1つありました。それは、こういうライブを楽しんでいる皆さんがいるからです。ですから、責任をとって最後まで僕たちを看取ってください。来年は30周年。新たなスタートという意味で今後も突っ走っていきます!」と力強く宣言した。
ラストは、坂本が「6人にとっても大事な曲」というV6のラストアルバムに収録された楽曲『over』のアンサーソング『トビラ』を披露し、2時間13分にわたるステージの幕を閉じた。「最後まで看取ってください」と観客を笑わせながら、50代とは思えぬキレキレのダンスで会場を圧倒した20th Century。”ガラスの50代”は、まだまだ割れそうにない。
取材・文/吉岡俊

