男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。
出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。
—あの時、彼(彼女)は何を思っていたの…?
誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。
さて、今週の質問【Q】は?
▶前回:デートで女性が2軒目を断るとき。アプリで出会った彼女と3回目デートで、男がやらかしたこととは
私の何が悪かったというのだろうか。
小さい頃から「メイちゃんは本当に可愛いね」と言われ続け、持てはやされて生きてきた。学生時代も、相当モテた。
そして社会人になって、今の外資系の保険会社へ就職してからも、それは変わらないはずだった。
それなのに、30歳を目前にして「結婚するならこの人かも!?」と思った陽平は、たった一度のデートで音信不通になってしまった。
デート中は「うんうん」とまっすぐ目を見つめながら彼の話を聞き、かなり清純系のイメージを植え付けられていたはず。
それに、陽平は最初から「芽衣ちゃんって、本当に可愛いよね」と言ってくれて、多少の気はあったと思う。
振り返ってみても、特に何も失敗していなかった初デート。
それなのに、どうして二度目のデートがないのだろうか…。
Q1:男が初デートで感じたことは?
陽平と出会ったのは、2対2の食事会だった。職場の同期が開催してくれたその食事会に、同じく丸の内勤務の外資系コンサル会社勤務の陽平と、その一つ上の先輩がやってきた。
「初めまして、芽衣です」
そう挨拶をした時から、なんとなく陽平の視線は感じていた。
陽平は目の前に座っていたのだけれど、食事中もチラチラと目が合う。それに気がついていたものの、あえて気がつかないフリをしてあげていた。
食事会の時から、勝負は始まっている。
たまに食事にがっつく女性がいるけれど、それは大間違いだ。食事会は、出会いがメインの会。だから私は食事会では会話を中心に楽しむことにしている。
だから男性陣の話も、興味があるように一生懸命聞くし話も聞き出す。
それが刺さったのか、陽平は途中からしきりに私を褒めてきた。
「芽衣さんって、絶対にモテますよね?」
「そんなことないですよ〜」
ワインを飲みながら微笑みかける。すると陽平の目尻はさらに下がっていく。
「普段は、どういうスケジュールなんですか?」
「基本的に、月金はオフィスにいますよ。週末は友達と出かけたり…陽平さんは?」
「僕も大体同じです。ただ最近、出張が増えてきて週末都内にいないことも多いですが」
「そうなんですね…お忙しいんですね」
「でも時間はいつでも作れますので!」
この辺りから、私は勘づいていた。
― 食事会が終わったら、個別でLINEが来るだろうな。
私の勘はあたり、みんなでグループLINEを作ったものの、翌日個別でちゃんと連絡が来た。
― 陽平:よければ、次は二人で食事へ行きませんか?
そのLINEを見て、私は思わず一人で微笑んでしまった。
そして食事会から二週間後。私たちは、虎ノ門にある超高級で滅多に予約が取れないフレンチでデートをすることになった。
店の近くの待ち合わせ場所にオンタイムで向かうと、陽平はもう待っていた。もちろんここでも男性を喜ばせるべく、ちょっと駆け寄って、ニコッと微笑みかける。
「陽平さん!お待たせしました」
しかも今日は気合を入れて、肩がガッツリ出ているオフショルダーで来た。きっと陽平も喜ぶだろう。もちろんこれも見事にハマったようで、陽平は私を見て目を細めた。
「全然ですよ。入り口が分かりづらいかなと思ったので…。じゃあ、行きますか」
こうして陽平と共に、お店へ入る。お店の外には店員さんが立って待っていたので思わず背筋が伸びる。
「素敵…私、ここのお店一度来てみたかったんです」
「芽衣さん、初めてですか?」
「はい、初めてです♡」
本当に初めてだったし、来てみたいと思っていた。だから改めて、その感謝と喜びを、大袈裟なくらい彼にもちゃんと伝えたつもりだ。
「改めて、今日は誘ってくださりありがとうございます。本当に嬉しいです♡」
「いえいえ、こちらこそです」
こうして素敵なデートが始まった。
何も問題はなくデートは進んでいたはずだった。
Q2:男が初デートで引いた、女の言動は?
美味しい食事と、ハイセンスな内装に特別感溢れる時間。
― 彼と付き合ったら、こういう時間が日常になるのかな…。
そう思うと、思わず心が躍る。年収3,000万は手堅いし、顔も悪くないし、優しくて私に好意がある。
だからどうしても、今日のデートは成功させたかった。
「陽平さんって、今本当に彼女とかいなんですよね?」
「いないよ。芽衣ちゃんは?」
「私もですよ〜」
ここ最近、年齢のせいかお誘いが減った気もしている。それに対しての焦りが実はあるけれど、そんなことを感じさせないように、ニコッと微笑む。
「芽衣ちゃん、誰かいそうなのにね」
「そんなことないですよ〜。男友達は多いんですけどね」
そう言いながら、先日友達の誕生日会をしたことを思い出した。全員で男性が10名前後いたけれど、みんなただの友達なので、写真を見せたほうが安心するかなと思い、私は一応その時の写真を見せてみる。
「ほら、みんな友達なんです」
「なんかキラキラしてるね〜」
「そうですか?むしろ男女の垣根を越えてただの友達なので、本当に何もないんですけどね」
「男側はどうなんだろう。絶対に何人かは、芽衣ちゃんのこと狙ってそうな気もするけどな(笑)」
「え〜ないですよ〜」
そんな会話をしていると、美味しそうな冷製のスープが運ばれてきた。
「美味しそう!」
「やっぱりここの店は格別だよね」
「本当ですね」
ちなみに、私は誰かと食事へ行ったら絶対に残さないことを意識している。食べ物を粗末に扱う女性になんてなりたくないし、そう見られたくもない。
だから今回も、ちゃんとスープの最後の一口まで味わうべく、お皿を手に持ってスープを平らげた。
「芽衣ちゃんって、意外に食べれる人?」
「はい。実は私、食事することが大好きで。特にこういう美味しいお店が本当に好きなんです」
「そうなんだ。初対面の時、あまり食べていなかった印象があったから、食が細いのかと思ってた」
「あの時は、あまりお腹が空いていなくて」
「でも意外だね。そんなに細いのに」
「体質なのかもしれません」
そうは言ってみるものの、陰でものすごく努力をしている。ジムにも通っている。綺麗でいるためには、努力が必要なのだ。
でもその努力を相手に感じさせるのはダサいので、あえて詳しく言う必要はないと思う。
そう思っていると、次のメインのお肉料理が運ばれてきた。しかしそのタイミングで、私はかかっていたソースを洋服にこぼしてしまった。
「やっだ…最悪。ごめんなさい」
陽平にすぐに謝ると、陽平は慣れた手つきで店員さんを呼んでくれる。
「僕は全然大丈夫なんだけど、むしろ大丈夫?洋服、汚れちゃった?」
「こちらは大丈夫です」
店員さんが炭酸水などをくれたものの、ソースは落ちない。結局この食事中にシミを落とすことは諦めて、そのまま食事を続けることにした。
そして気がつけばコースも終わり、最後のデザートが運ばれてきた。
「美味しかった〜」
「大満足だよね」
二人でそう言い合い、スマートに支払いを済ませてくれていた陽平にお礼を言い、お店を後にした私たち。
「もう1軒どうですか?」
そう誘うと、陽平も乗ってきてくれた。
「じゃあ…ちょっと暗い感じのお店でもいい?好きなジャズバーがあって」
こうして私たちは2軒目にも行き、楽しくデートを終えて解散した。
しかしここから、陽平からまったく連絡が来ない。お礼のLINEを送り、スタンプが返ってきたっきり、何もない。
― 食べ物をこぼしたのが悪かったってこと…?
それ以外、理由が考えられずにいる。
▶前回:デートで女性が2軒目を断るとき。アプリで出会った彼女と3回目デートで、男がやらかしたこととは
▶1話目はこちら:「あなたとだったらいいよ♡」と言っていたのに。彼女が男を拒んだ理由
▶NEXT:9月28日 日曜更新予定
たった一度のデートで男が連絡を辞めた理由は?

