
2025年7月7日から二十四節気は「小暑(しょうしょ)」に
暦の上では、夏の暑さが始まりを迎えるころとされ、「小さく暑い」と書くこの節気には、暑さの入り口という意味が込められています。
この約半月後には、一年で最も暑いとされる「大暑」が訪れ、夏の気温の移り変わりがこの二つの節気に表れています。
小暑の季節感
■ 祇園祭
京都の夏を彩る風物詩であり、日本三大祭のひとつとして知られる「祇園祭」。
7月1日から31日にわたって開催され、小暑の時期には前祭(さきまつり)の宵山(7月14日〜16日)や山鉾巡行(7月17日)などの主要な行事が行われます。
この時期の京都では、祭りにあわせてアヤメ科の植物「檜扇(ひおうぎ)」を飾る習慣もあります。古くは檜でできた扇が悪霊退散の道具とされており、それに似た花の姿からこの名が付いたと伝えられています。
花毎では、姫檜扇水仙を用いた季節のしつらえを「花月暦」でご紹介しています。
■ 土用入り
「土用」とは、立秋直前の約18日間*を指し、体調を崩しやすい時季として、古来より慎重に過ごす習慣がありました。うなぎや梅干しといった滋養のある食べ物を口にして、夏の暑さを乗り切ろうとする風習もこの時期に根付いています。
*2025年の夏の土用入りは7月19日で、小暑の終わりにあたります。
■ きゅうり加持
各地の真言宗寺院で行われる「きゅうり加持(きゅうりかじ)」は、参拝者が自身の身体の不調をきゅうりに託し、そのきゅうりを本尊の前に納めて無病息災を祈る修法です。きゅうりの清涼さが暑気払いの象徴とされ、夏の健康を願う民間信仰の一つとして親しまれています。
これらの行事や風習は、「小暑」という節気が単に〈暑さの始まり〉ではなく、夏本番に向けて心身を整え、自然の流れを受け入れていく節目であることを物語っています。
「アストランティア」
□切り花出回り時期:通年
□開花期:5月中旬~7月中旬(秋にも咲くことがある)
□香り:なし
□学名:Astrantia major
□分類:セリ科 アストランティア属
□別名:Masterwort、Hattie’s pincushion
□原産地:ヨーロッパ
