今回取材に応じてくれた男性は、その“ズルイ人”に成敗したそうです。一体どんな結末が待っていたのでしょうか。
◆和気あいあいな職場を台無しにする奴

その人物の名は佐藤(仮名)。口がうまく、上司へのゴマすりが得意なタイプでした。松本さんは少し押しが弱く口下手。ただ、設計の技量や知識は折り紙つきで、若手ながら上司からの評価も高かったそうです。
「最初は気にしないようにしていたんです。でも、僕がまとめた案をあたかも自分のもののように発表するんですよ。私も佐藤ほど口がうまければ……。言いくるめられる自分にもジレンマを感じています」
松本さんが淡々と振り返る姿からは、長く募ってきた悔しさがにじみ出ていました。
◆意を決しての罠じかけ
転機は大規模プロジェクトのプレゼン準備でした。連日、深夜まで続く打ち合わせ。そんなある晩、佐藤が言い出したのです。「今日はもう遅いから、俺があとやっとくよ」
その瞬間、松本さんの胸に嫌な予感が走りました。体調も崩しかけていた松本さんは、帰宅を選びましたが、心のどこかで覚悟を決めてもいたのです。

冷静にそう語る松本さん。もし何か問題が発生したら会社を辞める覚悟さえあったといいます。そして、案の定その仕掛けは、後に佐藤を追い詰める決定打となりました。

