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「同僚の資料をパクる」迷惑社員に我慢の限界…「わざと資料にミスを作った」結果、すごい事態に

「同僚の資料をパクる」迷惑社員に我慢の限界…「わざと資料にミスを作った」結果、すごい事態に

◆計画通りに進んだ作戦

プレゼンをする男性
 プレゼン当日。会議室で佐藤は得意げに役員の前に立ちました。ところが、専務が静かに口を開いたのです。

「佐藤くん、この図面は君が考案したのか? 同じ箇所なのに寸法と強度計算が一致していないんだが」

 一気に空気が変わりました。佐藤は「えーと、あのー」としどろもどろ。そのタイミングで、松本さんは、少し派手にノックをし会議室へ入り込んだといいます。

「専務、突然すみません。実はその図面、私が作成しました。ご指摘の数値は誤植で、すべて1の位を”2”に直すと正しい内容になります」

 突然割って入った松本さんに、最初は不思議そうな表情で見つめる役員一同でしたが、言う通りに数値を変更すると問題が全て解消されたそうです。松本さんは続けてーー。

「正直に言います。この数値は私が意図的に変えました。理由は、佐藤くんがこれまで私の図面を自分の成果として見せてきたからです。どうしても許せなかったんです。だから、わざと数値を変更して、彼の不正な行為を皆さんに知らしめたかったのです。もちろん、こういう行為は不本意ですし、覚悟を決めて辞表も持参しています」

 会議室はしばし沈黙に包まれまれたと言います。

◆“ぐうの音も出ない”その結末

部下と上司
 しばらくした後、ゆっくり専務はうなずき、松本さんにこう告げました。

「わかりました。このプランは松本くんの監修ということで進めます。佐藤くんはあとで役員室に来なさい」

 それ依頼、佐藤の姿を事務所で見ることはなかったそうです。噂では地方の支店への異動が命じられたとのことです。

「正直、職を失う怖さもありました。でも、あのまま泣き寝入りしていたら、もっと悔しい思いをしていたと思います」

 淡々と語る松本さんの表情には、ようやく胸のつかえが取れた安堵感が浮かんでいました。

 職場の人間関係は時に理不尽です。しかし、自ら動かなければ状況は変わらない。その現実を、彼の行動が証明しているように思えました。

<TEXT/八木正規>

【八木正規】
愛犬と暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営
配信元: 日刊SPA!

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