国会が2026年7月17日に会期末を迎える。野党5党が欠席する中で衆院議員定数削減法案が審議入りするなど、与野党の対立が激化。会期延長論も出始め、最終盤を迎えた国会の正常化はどうなるか。

野党5党は国民から支持を得られているか
野党5党とは、中道改革連合、国民民主、参政、チームみらい、共産であるが、審議拒否に至ったのは与党のせいであると主張している。世論調査は審議拒否している野党5党に厳しく、国民から支持を失っているように筆者には思える。
野党を主導する中道、立憲、公明は国会内で勉強会を開き高市早苗首相に関する中傷動画疑惑を追及しようとしていた。ところが週刊誌のネタ元データがガセネタなので、なんら説明責任も何もない。第2の永田メール事件のようなものだった。
こうした中、現行憲法で規定されている国会を60日延長し、衆院優越の60日ルールを使えば、皇室典範改正、衆院定数削減、副首都をすべて成立されることができるという国会延長論もでている。しかも、今国会は特別国会なので2回延長できる(国会法12条)。これはルールなので、選挙での公約を選挙結果にしたがって処理しても筋が通っているが、マスコミは「数の横暴」という。
その中で、与党内で皇室典範改正を今国会の成立で最優先し、衆院定数削減は見送りという、いかにも両成敗との国会対策のような流れになってきた。いずれも選挙公約であり、ルールに則して処理すればいいと思うが、国会では別ルールがあるようだ。
審議拒否に褒美を与えることに違和感
国会審議拒否について、筆者のような、理由はどうあれ試合放棄なので毛嫌いする人からみれば、審議拒否したほうに成果を与えるようで気持ちが悪い。マスコミも、国会正常化といい、審議拒否のどちらに責任があるかを論じるが、選挙公約や選挙結果を無視して審議拒否に褒美を与えるのはいかがなものか。世論調査を見る限り、国会審議拒否は国民の支持を得ていないが、国会内の国対政治では別ルールがまかり通っているようだ。
審議拒否をした野党には一時的に朗報だろうが、長期的には週刊誌ネタしか議論できない国会議員は減らすべしという声がでて、衆院議員定数削減には追い風になるだろう。
++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはしよういち)元内閣官房参与、元内閣参事官、現「政策工房」会長 1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。20年から内閣官房参与(経済・財政政策担当)。21年に辞職。著書に「さらば財務省!」(講談社)、「国民はこうして騙される」(徳間書店)、「マスコミと官僚の『無知』と『悪意』」(産経新聞出版)など。