
あれは9月の終わりのある朝のことでした。はらりはらり、からりからり、桜の樹から葉が落ちる音を聞きました。わたしの歩く先に黄色く色づいた桜の葉が降って来るのです。この日から風は涼しく、日が暮れるのがいっそう早くなり、我が家のご近所に秋がやって来ました。9月は数人の大切な友と、家族の誕生日が続き、10月に入るとわたしもひとつ歳をとります。
<涙がこぼれてしまう幸せな朝>
休日の朝、可愛い花束が届きました。親しい友の子どもたちからでした。赤が深くて美しく、この日の気分にぴったりだったのです。わたしは、彼らが幼い日のことを今でも思い返しては愛おしく懐かしんでいるのですが、彼らはふたりでわたしにお花を贈ってくれるほど素敵な大人になっておりました。わたしは嬉しくて、ついうっかり涙がこぼれてしまいます。幸せってこういうのだ、と思う朝でした。
<秋とは、夏でもなく、冬でもなく>
10月の東京は日中であれば半袖で過ごせる気温です。ノースリーブのワンピースに、カーディガン代わりにパシュミナのストールを合わせます。肌触りが良く、薄くて撫でていると眠たくなってしまいそうなストールです。30年以上愛用しているのですが、当時は日本にまだあまり流通していなかったパシュミナのストールで、スタイリストの方にお薦めいただいて、赤とベージュの2色を買い求めました。あれからずっと愛用しているのですから、今思うととても良いお買い物をさせていただきました。

