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年金月19万円の60代夫婦、移住先「北海道の新居」で年賀状用写真を記念撮影。仲良くピース!満面の笑みも…「誰にも送れなかった」切なすぎる理由【FPが解説】

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移住を夢で終わらせないための3つの選択肢

では、同じ失敗を避けるためにはどうすればよいのでしょうか。3つの選択肢を紹介します。

1.事前のライフプランシミュレーションの徹底

単に「地方の家賃は安い」「野菜が安い」といった物価の違いによる抽象的なイメージで計画するのではなく、1年間を通して光熱費や車の維持費、医療費まで具体的に試算する必要があるでしょう。

2.“お試し移住”を取り入れる

最近では自治体が短期滞在用の住宅を用意している例もあり、数ヵ月単位で暮らすことで本当の生活コストがみえてきます。本格的な移住は、お試し移住で手応えをつかんでからでも遅くはありません。

3.完全移住ではなく二地域居住という選択肢

冬は都市部、夏は地方といった過ごしやすい場所を常に選択する暮らし方をすれば、過酷な気候や環境に適応するためのコストや体力的な負担を回避できます。

佳代さんは最後にこういいました。

「夢だけで突っ走って地方移住してしまうと、その地域特有の現実に直面した際に、追い詰められてしまう。だけど、きちんと準備すれば田舎暮らしはきっと素敵な選択肢になると思う」

老後の移住は夢をかなえる手段であると同時に、家計にとっては大きなリスクをはらんでいることも覚えておきましょう。

筆者が、ファイナンシャルプランナーとして伝えたいのは、移住の成否はその後の暮らしを明確な数字で試算できるかにかかっているということです。移住を夢で終わらせないためにも、事前に冷静な試算と備えをする必要があるでしょう。
 

波多 勇気

波多FP事務所 代表

ファイナンシャルプランナー

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