◆その6:32歳に「お互いもういい年なので」と言う60代のおじさん
30代をほとんど同年代扱いするおじさんも多い。
さすがに32歳(当時)の私と60代じゃ、夜中にトイレに起きる頻度とかそもそもの睡眠時間とかが全然違うし、共通点なんて国籍くらいじゃないかな。
◆その7:「2人で暮らす家を買おうと思っている」となんの脈略もなくとんでもない飛躍の仕方をするおじさん
彼女のことが好きだし、彼女も私のことが好きかもしれない。何度かデートを重ね、手に触れてみるなどもしたが、彼女はどうやら嫌がってはいないようだ。今年のクリスマスには何をプレゼントしよう——とか、そのようなあらゆる段階をすっ飛ばして
「2人で暮らす家を買おうと思っている」
と突拍子もないことを言い出すおじさんがいます。
買うのは勝手ですが、そこで一緒に暮らしてくれる女の子はたぶんいません。
◆その8:「一応、ホテルはツインです」と謎のアピールをしてくるおじさん

もちろんスケベなことがしたいし、するつもりではあるがそのような意図については明確には言及しないことで一応は「逃げ道」を作っているつもりなのでしょう。滑稽極まりないです。
◆その9:「妻とはレスです」と謎のアピールをしてくるおじさん
奥様とレスであることをなぜかアピールするお父さんも案外多い。
こちらとしては「だからなんだよ」のひと言に尽きます。
◆その10:「ここ以外の場所で出会いたかった」とロマンチックなことを言い出すおじさん
「ここ以外の場所で出会いたかった」と言い出すおじさんがいます。それも、刑務所でも北朝鮮でもなく、働く男たちのオアシス・キャバクラで。
キャバクラ以外の場所でおじさんが「さっすがー!」「知らなかった!」「すっごーい!」とおだててもらえることがあるとでも思っているのでしょうか。おろかです。
◆おじさんのふり見て我がふり直そう

おじさんたちの奇行を間近で観察できるのも安キャバで働く醍醐味です。当時はおじさんの謎発言に辟易していましたが、今となってはそれも良い思い出です。
恥ずかしいことを口走って、翌朝反省したり、恥ずかしさに身もだえたり、もしくは「なんか覚えてないけど楽しかったな」と微笑んだりしながら今日も頑張ってほしいです。
とはいえ、読者の皆さんにはあまり恥ずかしいおもいはしてほしくないので、おじさんのふり見て我がふりなおしましょう。ご乱心もほどほどに。
<文/みずえちゃん>
【みずえちゃん】
1989年生まれ。新潟県長岡市出身。関西外国語大学卒業後、大阪市内の広告代理店に勤務する傍ら、キャバ嬢デビュー。結婚、離婚、地方の激安キャバクラを経て、現在は銀座ホステスとライターを兼業。X(旧Twitter):@mizuechan1989

