男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。
出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで...この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。
― あの時、彼(彼女)は何を思っていたの...?
誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。
さて、今週の質問【Q】は?
▶前回:「なぜかあの子はいつも大切にされている…」彼氏が途切れない女のデートの作法とは?
由真と最後に会ったのは、恵比寿のバーだった。
「由真ちゃんと、もっと仲良くなりたい。俺、結構本気だよ」
そう伝えると、由真はふっと微笑んだ。
「翔太くんって、ちゃんと言葉にしてくれるからいいよね。女性は、ストレートに“好き”とか“可愛い”とか…。まっすぐ言ってもらえるのが好きだし、嬉しいから」
由真は、そんなふうに僕のことを褒めていたはずなのに、結局この後、連絡が途絶えてしまった。
僕は、これまでずっとモテてきた。顔は結構かっこいいと言われる部類だし、28歳で年収は1,000万を超えている。
それなのに、僕の何が悪かったのだろうか。
今年で28歳になる僕は、都内の外資系不動産会社に勤務をしている。
身長は185cm、帰国子女なのでもちろん英語は話せるし、何より年収は1,000万を超えている。
正直に言うと女性には困ったことがなかったけれど、前の彼女と別れて1年が経ち。そろそろ本気で誰か作ろうかな、と思ったタイミングで出会ったのが由真だった。
由真と出会ったのは食事会だった。保険の営業をしているという由真は凛とした美しさがあり、何かハッと目を引くものがあった。
そして何より笑顔が綺麗で、しかもこちらの話をちゃんと聞いてくれる。聞き上手な女性は好きだし、顔が好みだ。
「由真ちゃんって、すごく美人さんだよね。モテるでしょ?」
そう言うと、由真は笑顔で首を傾げた。
「ありがとうございます。どうなんですかね」
「由真ちゃん、顔も綺麗だけど雰囲気も美しいというか…姿勢も綺麗だよね」
「本当に?嬉しいです。最近ピラティスに行っているからかな」
「そうなんだ。だからか〜。うん、本当に綺麗」
女性は、褒めるに限る。
そしてこの日は他の女性とも話しつつ、帰り際には自然と由真の隣に並んで、「今日楽しかったね、また会おうよ」と連絡先を交換した。
もちろん翌日。すぐに個別でLINEを送った。
― 翔太:昨日楽しかった!由真ちゃんの話もっと聞きたかったな。
― 由真:私も楽しかったです!
― 翔太:次は二人でご飯行かない?
もちろんOKをもらい、会う日程が決まった時点で、僕は行きつけの表参道のフレンチを予約した。
一回目のデートは会話も弾み、由真もよく笑っていた。また、僕に対して興味があるような質問も、ちゃんとしてきてくれた。
「これまでどんな人と付き合ってたの?」
「どんな人…。みんな綺麗な人たちばかりだよ。でも、なんやかんやで続かなくて」
「なんで続かなかったの?」
「束縛とか嫉妬が激しくて。“私だけを見て”的な重い女性が苦手なんだよね。由真ちゃんは?どんな人が好きなの?」
こうして、恋愛の話も盛り上がり、お互いの趣味や好きなタイプも知れた。かなり良い感じで進んでいる。
「由真ちゃんって本当にいいよね。美人だし話しやすいし…」
「ありがとう。翔太さんも。こんなかっこいいのに、いい人だよね」
「そうかな。ありがとう」
もちろん、次のデートの約束もその場で取った。
「由真ちゃん、次は水曜でどうかな」
「いいね。何食べる?」
初回のデートは、かなり完璧だったはずだ。
二回目のデートは、西麻布の和食屋で食事をした後、六本木にある会員制のバーへ連れて行くことにした。ちょっと薄暗い雰囲気が好きで、ここも女の子と二人で来るには鉄板の店だった。
それに会員制という優越感と特別感もある。
「初めて来た!翔太さん、ここのお店はよく来るの?」
「ううん、由真ちゃんみたいな特別な子だけとしかこないよ」
「本当に?絶対嘘だ」
そう言って笑うので、僕も思わず笑ってしまう。
「まぁ、たまに男友達と来るかな」
「そうなんだ」
冗談を言い合いながらも、二人の距離は近くなる。そして今日も由真は綺麗で、思わず手を触れたくなった(けれども、もちろん我慢した)。
すると、由真が不意にバーカウンターの上に置いてあった僕のスマホを指差した。
「LINE、さっきからたくさん来ているけど大丈夫?」
「あぁ、これね。大丈夫。週末になると、色んな人から“会いたい”とか“飲もうよ”って誘いが来るんだけど…。でも、今は由真ちゃんとデート中だから」
このLINEには、もちろん女性からの誘いもある。でもそれは言うべきではないのはわかっているし、何よりも、“由真との時間を大切にしている”アピールができただろう。
すると、由真は僕の顔をじっと見つめてきた。
「翔太さんって、意外にまめだよね」
「そう?好きな子以外には、結構冷たいよ」
「そうなんだ」
実はLINEも毎日ではないが、由真にはこまめに送っている。
― 翔太:今日仕事どうだった?
― 翔太:週末空いてる?
― 翔太:これ由真ちゃん好きそう、と思って。
内容は、くだらないことかもしれない。でも我ながら、丁寧に大切に関係を育てていたと思う。
押しすぎず、でも引きすぎず、女性が喜ぶ頻度の連絡を意識していた。
「そっか…。私だけなんだ。嬉しいな」
そう言うと、由真はさらに僕の目をじっと見つめてきた。
― あれ?今日で行けるかも。
先ほどから距離も近いし、由真は僕に興味を持っている。スマホが鳴っていることに“嫉妬”しているということは、僕に多少の気持ちがあるのだろう。
だから意を決し、このデートの帰り道、僕は正直に気持ちを伝えた。
「由真ちゃん、付き合わない?」
男性は、グイグイ押すに限る。いいと思ったら、早めに気持ちを伝えるべきだ。そう信じていた僕は、ストレートに想いを伝えた。すると、由真は道端で目を見開いた。
そして数秒後、こう言ってきた。
「翔太くん、ありがとう。嬉しいんだけど…もう少し考えさせてもらってもいいかな?まだあまり、翔太くんのこと知らないから、時間が欲しいなと思って」
「そっか、そうだよね。わかった」
しかしこの後2回ほど会ったものの、由真が僕になびく気配を全く感じられなかった。
それどころか、連絡がなくなってしまった。
振り返っても、落ち度が見つからない。デートの場所も悪くなかったし、話も盛り上がっていたはずだ。ルックスに問題があったとも思わない。これまで同じようなアプローチで、うまくいってきた経験もある。
少なくとも、これまで女性関係で困ったことはなかった。気になった子にアプローチして、大抵うまくいってきた。食事会でもどこでも、気に入った子に連絡先を渡して断られた記憶がほとんどない。
由真は何を見ていたのだろう。そして「ちゃんと好きになれるかわからない」という言葉の裏には、一体何があったのだろうか。
▶前回:「なぜかあの子はいつも大切にされている…」彼氏が途切れない女のデートの作法とは?
▶1話目はこちら:「あなたとだったらいいよ♡」と言っていたのに。彼女が男を拒んだ理由
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モテるはずの男からのアプローチで、女が靡かなかった理由は?

