金魚と文鳥に会える愛知・弥富市の資料館「弥富市歴史民俗資料館」が2025年10月8日、「文鳥館鳥」の肩書で人気の白文鳥「ぶんちゃん」について、8歳ごろをもって「退官式」を行うとXで発表した。

ふれあい体験などの務めを終えるといい、ねぎらう声が多数寄せられている。ぶんちゃんの歩みを同館に取材した。
「退官後は、『名誉館鳥』に就任する予定です」
弥富市歴史民俗資料館は市役所図書館棟の1階にある入場無料の施設だ。市の公式サイトによると、弥富は高級金魚の産地として知られ、かつて繁殖の拠点だった「文鳥の聖地」とも呼ばれている。資料館ではこれらの歴史を紹介しており、水槽に約20種類の金魚が泳ぎ、ロビーにはぶんちゃんと桜文鳥の「さくら」がいる。
今回、公式Xは「【大切なお知らせ】"文鳥館鳥"ぶんちゃんの今後について」とするメッセージ画像を投稿。5月に「部鳥」から「館鳥」に昇進したばかりのぶんちゃんについて、下記のように発表した。
「ぶんちゃんは、2018年から"文鳥職員"として弥富市や歴史民俗資料館のPR につとめてきましたが、高齢になり、これまでのような働き方が難しくなってきました。8歳になるころに、『ふれあい』や『おみくじ』の業務を引退する予定です」
引退前には「ぶんちゃんの退官式(仮)」を開催する予定で、「これまでの感謝をこめて、"文鳥職員"らが例年よりもスペシャルなおもてなしを行います」。日時や内容は追って伝えるとしている。
退官後は「名誉館鳥」に就任し、館内の鳥かごで暮らし続けるとしながら、「体調次第で隠居生活(非公開)となる可能性もありますので、お早目に会いに来ていただけると嬉しく思います」ともいう。
「あっという間に退官の時期」...職員は感謝と寂しさ
投稿は1万6000件超の「いいね」を集め、「引退してもまだまだ長生きしてね」「8年間、おもてなし精神に溢れた愛らしい姿を見せていただきありがとうございました」「どれだけの癒しを与えてきたのか、お疲れ様です」「ぶんちゃんのお陰で弥富という土地が好きになったよ」などと温かい声が寄せられている。
ぶんちゃんの飼育も担っている学芸員が15日、J-CASTニュースの取材に応じた。この職員は当初から世話してきたといい、退官への感慨を下記のように伝えた。
「これまで7年以上にわたって一緒に歩んでくれたことはすごく感謝していますし、想像以上にお客さんからの評判も高くなり、本当にありがたいと思っています。あっという間に退官の時期になってしまって、信じられないとともに寂しい気持ちもありますが、これからも末永く元気で過ごしてもらいたいです」
ぶんちゃん採用の経緯については、さかのぼって18年に、同館で既に金魚を飼っていたところへ「文鳥もいた方がいいのではないか」との話が立ち上がり、繁殖されたヒナ──生後2週間ほどのぶんちゃんを迎え入れたと明かした。