小休止を繰り返して【連載vol.12ー今日花(こんにちばな)通信ー】

小休止を繰り返して【連載vol.12ー今日花(こんにちばな)通信ー】

花の魅力を届ける人・吉原友美さんが伝えたいは、植物を通じて、今の自分の心と向き合う「今日花(こんにちばな)」というあり方。
花を選び、飾ることは、自分と向き合い、今の気持ちを感じ取る行為。季節を通して今日の自分にまっすぐに向き合う手段としての花が「今日花(こんにちばな)」なのだそう。

そんな吉原さんの日常と花のある暮らしを、吉原さんの言葉でお届けします。

この連載も12回目を迎え、季節をひとめぐりすることができました。葉山に引っ越してきてから3回目の夏です。

7月1日は海開き。

海岸には海の家がずらりと並びます。朝、犬の散歩の途中なのか、砂にまみれながらモーニングを食べている人や、パソコンを開いて仕事をしている人もいます。

そんな風景を見ていると、葉山は「すっぴんが似合う街」だと感じます。ここに暮らす人たちの服装はとてもカジュアル。Tシャツとビーチサンダルをベースに、必要以上に着飾ることなく、それぞれがリラックスしたおしゃれを楽しんでいます。

そんな影響を受けたのか、先日、ハーフパンツのオールインワンを買いました。

スカートすらめったにはかない私が、脚を出すなんて、以前なら考えられなかったこと。でも、葉山で暮らす人たちや友人たちの軽やかな姿を見て、「似合わない」と決めつけるのをやめ、思い切って挑戦してみることにしました。

「この年齢で着てもいいのかな」
「自分のキャラじゃない」

そう考えるよりも、「やってみようかな」と心が動いたら、その気持ちを行動に移してみる。葉山で暮らすようになって、そんなふうに思えるようになったのだと感じます。

この連載でも何度か書いてきましたが、私はわりと、頭の中がいつも忙しいタイプです。

「明日のあれ、どう段取りしよう」と先のことを考えたり、今は考えなくてもいいことをぐるぐると悩んだり。休んだり、リラックスしたりすることも、あまり得意ではありません。屋号に「PAUSE(小休止)」を掲げながら、自分自身はまったく休めていなかったのです。

葉山に来たばかりの頃は、自然の中でどう過ごしたらいいのかもよくわかりませんでした。そして実は、今だってまだまだリラックス下手。

そのときどきの心が求める花を、私は「今日花(こんにちばな)」と呼んでいます。

先日は、ジニアとルドベキアを選びました。赤や黄色、オレンジ。夏の太陽のような、鮮やかな花々です。
いつもは白やグリーンなど、穏やかな色の花に手が伸びがちです。以前なら、「少し派手かもしれない」と選ばなかったかもしれません。
でも今は、「飾ってみたい」と心が動いた、その気持ちを大切にしたい。ハーフパンツのオールインワンを着てみようと思ったことも、鮮やかな花を選んだことも、私の中ではどこかつながっています。

「今日」という日は、似ているようでいて、いつも違う日。
葉山の自然や、ここで出会った人たちの軽やかさに触れながら、「今日」の自分の心身の声にも耳を傾けられるようになりたい。
そのときどきに必要な小休止を繰り返しながら、これからも自分らしく、軽やかに年齢を重ねていけたらと思います。

「今日花通信」の連載は、いったんリニューアルのためおやすみへ。
10月に、またお会いできたらと思います。

写真/吉原友美 編集・文/柳澤智子(柳に風)
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

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