高市「骨太の方針」に寺島実郎氏が指摘「財政規律への不信を世界のマーケットは見抜いている」

高市内閣が掲げた「骨太の方針」で示された積極財政を市場が警戒、円や国債が売られる「骨太ショック」が出た。7月26日放送の「サンデーモーニング」(TBS系)は骨太の方針の是非をとりあげたが、財政悪化の懸念も指摘された。

高市早苗首相(2026年2月)

「消費税減税を決定すれば、円安と国債価格の下落が進む可能性がある」

番組は「骨太の方針」について、時の政権が重視する政策の方向性、自民党は「政策の羅針盤」と位置付けていると概略を説明。小泉純一郎内閣の「聖域なき構造改革」、安倍晋三内閣の「アベノミクス」などが一例だ。

高市政権が掲げたのは「責任ある積極財政」でAI・半導体など17分野に370兆円を投資するという。ところが、この原案が明らかになった時、円安と国債が売られるといういわゆる骨太ショックが起きた。歴代政権が引き継いできた財政健全化の文言が方針の中から消えたことで財政悪化の懸念が広がったとみられる。

野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミストの木内登英さんは「財源のめどが立たないにもかかわらず高市総理が消費税減税を決定すれば、円安と国債価格の下落が進む可能性がある」と指摘する。

「肝心なのは企業セクターがどういう責任でどういう形でやるのか」

日本総合研究所会長の寺島実郎さんは次のように解説した。

「物価高の最大の要因は輸入インフレ、円安を食らっている。財政規律に対する市場からのクエスチョンなのだ。注目しなければいけないのは中核指標という言葉を使って、債務残高のGDPに対する比率を安定的に低下させる、これが責任ある積極財政だという目標を出していることだ。日本の債務残高のGDP比は207%で、去年まで提示されていた数字は236%だった。(この数字をみると)改善傾向にある、安定的低下という目標もリアリティーがあると思いがちだが、236%という数字は、前の年まで日本はGDPの2.36倍の借金を抱えていたということになる。これが207%に減った、改善されているじゃないかと。GDP統計の改訂を昨年12月にやったが、26兆円をいきなり上積みした。だから207%に減ったからといっても分母が増えたから減ったように見えるだけ。財政規律への不信を世界のマーケットは見抜いている。370兆円の官民投資も政府の役割意識肥大症で、政府が引っ張るんだとやっているが、肝心なのは企業セクターがどういう責任でどういう形でやるのか」

やはり、財政規律に疑問を投げかける。

(ジャーナリスト 佐藤太郎)

配信元: J-CASTニュース

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