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発祥の地「米国」と輸入した側「日本」…サラリーマンの「Facebook」の使い方、根本的な違い

発祥の地「米国」と輸入した側「日本」…サラリーマンの「Facebook」の使い方、根本的な違い

仕事とプライベートの境界線が曖昧だといわれる、日本社会。その特徴は、SNSの使い方にも顕著に表れています。後藤宗明氏の著書『中高年リスキリング』(朝日新聞出版)より、日米のSNS文化の違いと、それがもたらす問題点について解説します。

SNSで「お互いに」表示させないようにする

すでに周知のこととなっていますが、SNSと気分の上がり下がりは大きく関係があります。SNSとの距離の取り方は人それぞれですが、気になってしまう方は、SNSで表示される内容によってやる気がなくなったり、やる気が出たりすることもあるかと思います。

私はうつ病とパニック障害を経験してから、自分にとって有害な出来事が過去にあった人や、他人批判をし続けている人などの投稿を自分のSNSの表示から消すようになりました。

また、自分の投稿の表示が相手に自動的に表示されないように、自分の投稿の表示も制限するようになりました。それは、相手から自分に連絡が来ないようにするためです(相手に自分のことを思い出されないようにする予防措置のようなものです)。自分の表示から相手が消え、相手の表示から自分が消える。それによって、お互いを認知する機会を減らしていくのです。

SNSの登場によって、便利になった一方、自分の管理できる範囲を超える人間関係を維持するようになったのも事実です。自分の管理能力を超えた人間関係をSNSで維持していると感じたら、思い切って、非表示機能を使いましょう。

例えば、以前は、オフィスを出れば、会社で付き合いが難しい上司、同僚などを視界から消すことが可能でしたが、今はオフィスを出てもSNSに上司や同僚が表示されたり、メッセージが届いたりすることが一般的です。そのため、勇気を持ってどこかで、「自分が無理!」という線引きをする必要があります。表示しない、表示させないことで、接触機会を減らし、やる気がなくなる、悩み始めるきっかけをなくすのです。

気が進まない誘いは勇気を持って丁寧に断る

社会生活の中では、気が進まない会食や誘いがあるかと思います。誘いを断ることが苦手で、我慢して参加し、結果的に嫌な思いをしたり、不愉快な気持ちになったりして帰ってくる。しかも、そうなるとわかっていて、結果、予想通りになって家に帰ってきて悶々とする。そんな方も多いのではないでしょうか。

日本の文化、日本人の気質もあるかと思います。海外の方と仕事をしていると、日
本人には、断ることが失礼と思い込んで、断ることを苦手としている方が比較的多い
ように感じます。自分の生活を大切にするため、自分の人生を左右するリスキリング
に取り組むと決めた際には、しっかりと優先順位をつけて、気が進まない誘いは勇気
を持って、丁寧に断りましょう。

日本特有の事情として、仕事とプライベートの境界線が曖昧ということもあるのではないか、と思います。例えば、Facebook発祥の地である米国では、Facebookはプライベートの友人同士、仕事関係のつながりはLinkedInを利用する、とはっきり分けて使うことが一般的です。

日本の私の友人たちで、上司からのFacebook申請を断れず、上司から監視されている気分になってしまい、投稿ができなくなってしまったという方がたくさんいました。また一方で、友人の近況を見るためにFacebookを開いたら、上司が日頃の仕事の不満を書いていて気持ちが萎えた、という話もありました。

後藤 宗明

一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブ

代表理事

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