◆ツカダとテイクアンドギヴ・ニーズは好調
こうした状況下で好調なのがゲストハウスウエディング「ベストブライダル」で知られるツカダ・グローバルホールディング。2024年度の婚礼事業は増収増益でした。結婚式の取扱件数は9404件で1割減少したものの、婚礼単価が6.8%増加。370万円台から400万円台に引き上げたことが奏功しました。ツカダはホテルの強化を図っています。2020年10月に「キンプトン新宿東京」をオープン。ホテルの婚礼部門の運営受託も進めており、「ANAインターコンチネンタルホテル東京」や「ザ ストリングス 博多」、「オリエンタルホテル広島」、「グランドプリンスホテル大阪ベイ」などのブランド力の強いホテルの結婚式を手がけています。
婚礼業界最大手であるテイクアンドギヴ・ニーズも底堅く推移しています。2024年度は取扱件数が5%減少して9853件となったものの、単価を2.4%引き上げて400万円台に乗せました。2024年度は増収営業減益でしたが、2025年度は増収営業増益を予想しています(テイクアンドギヴ・ニーズは2025年に決算月を3月から12月に移行しており、予想の数字は1年間で比較した場合のもの)。今期の婚礼単価は更なる上昇を計画中です。
◆「受注件数が1000件減少」苦しい状況が続くエスクリ
やや苦戦しているのが駅前の好立地にビルイン型の結婚式場を展開するエスクリ。2024年度は減収営業減益でした。今期も4%減収、52%もの営業減益を予想しています。エスクリも取扱件数が減少しており、2024年度は5204件で、1割減少しました。婚礼単価の開示はしていませんが、ブライダル事業の売上に件数を当てはめて単価を割り出すと、2024年度は400万円を超えています。5.5%増加しました。
しかし、受注件数の減少が著しく、2025年度は5352件で2割近く下がりました。1000件以上減少したのです。単価の引き上げで取扱件数の縮小をカバーする見込みが立っていないのでしょう。
厳しい戦いを強いられています。

