いつまでも輝く女性に ranune

ろう者と聴者が響き合う「東京国際ろう芸術祭」

[3]「知らない世界」と関わるために一歩踏み出す

「知らない世界」に恐怖を抱くのではなく、気軽に触れてみる。例えば、「手話のまち 東京国際ろう芸術祭」に足を運んだり、デフリンピックで応援したりすることで、ろう者と聴者の自然な交流や共生につながり、思いがけない気づきや新しい景色に出会える

「ろう文化」「ろう芸術」とは何か。それを知るために、「手話のまち 東京国際ろう芸術祭」を主催する牧原依里さんに取材を申し込みました。

ろう者と聴者がごちゃ混ぜになり、互いの文化を理解し合う。杉並区が一丸となって開催する「手話のまち 東京国際ろう芸術祭」では、きっとそんな光景が至るところで見られることでしょう。その光景がいつか、日本全体に広がっていくことを願ってやまない取材となりました。

撮影:十河英三郎
手話通訳協力:小松智美

〈プロフィール〉

牧原依里(まきはら・えり)

1986年生まれ、ろう者。ろう者の「音楽」をテーマにしたアート・ドキュメンタリー映画『LISTEN リッスン』(2016)を雫境(DAKEI)と共同監督、第 20 回文化庁メディア芸術祭 アート部門 審査員推薦作品、第71回毎日映画コンクール ドキュメンタリー映画賞ノミネート等。2024年にレクチャーパフォーマンス「『聴者を演じるということ』序論」を演出、2025年11月にはTOKYO FORWARD 2025 文化プログラム ろう者と聴者が遭遇する舞台作品「黙るな 動け 呼吸しろ」(構成・演出)が控える。視覚と日本手話を中心とする自分の身体感覚を通した表現を実践し続けている。仏映画『ヴァンサンへの手紙』の配給宣伝など担う他、2017年には東京国際ろう映画祭を立ち上げ、ろう・難聴当事者の芸術に関わる人材育成と、ろう者と聴者が集う場のコミュニティづくりに努めている。

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