定年後も働くシニア世代に朗報…「年収200万〜665万円層」は所得税が大幅軽減。〈令和8年税制改正〉で世帯の手取りを底上げするポイント【CFPが解説】

定年後も働くシニア世代に朗報…「年収200万〜665万円層」は所得税が大幅軽減。〈令和8年税制改正〉で世帯の手取りを底上げするポイント【CFPが解説】

令和8年3月31日に成立した「令和8年税制改正」。今年の改正では主に、税金や扶養、医療費のルールが見直され、税金面では「年収200万~665万円層」が大きく減税となります。定年を迎えたあと、再雇用などで働くシニア世代にとって、この影響は無視できません。そこで本記事では、福地健氏が監修を務めた『いちからわかる!定年前後のお金と手続き 得する働き方・暮らし方ガイド 2026-2027年最新版』(インプレス)より、令和8年税制改正における「所得税」の変更ポイントについてくわしくみていきましょう。

令和8年税制改正は「年収200万〜665万円の層」に恩恵大

令和8年の税改正は定年世代に朗報

令和8年の税制改正により、基礎控除が合計所得金額489万円(年収665万円相当)以下の場合の上乗せ額が、最大で42万円まで引き上げられることになりました。

今回の改正では特に、年収200万〜665万円の層が手厚くカバーされ、現役時代から年収は下がったものの、65歳まで雇用継続の形で働く「定年世代」の方々には大きな朗報といえます。

さらに、働く人を応援する仕組みとして、給与所得控除の最低保障額も昨年に比べて9万円引き上げられました。

年収200万円の場合:所得税0円/年収600万円の場合:約3万6,200円所得税が減る

これらによる税金の軽減効果を単身者のケースで具体的に試算してみると、年収が200万円の場合、昨年は3000円の所得税額が、今年は控除額拡大のおかげで所得税が0円になります。

また、年収が600万円の場合には、約3万6200円の税負担が減る計算になり、まとまった一定の軽減効果を得ることができます

出所:『いちからわかる!定年前後のお金と手続き 得する働き方・暮らし方ガイド2026-2027年最新版』(インプレス)より抜粋 [図表1]「基礎控除」「給与所得控除」の改正(2027年まで) 出所:『いちからわかる!定年前後のお金と手続き 得する働き方・暮らし方ガイド2026-2027年最新版』(インプレス)より抜粋

基礎控除をフル活用…定年後は「夫婦分散」で稼げば節税に

定年世代の中には、雇用継続による年収低下を懸念する方もいるかもしれません。しかし、下がった分の収入を妻がパート等でカバーすれば、世帯年収を維持しつつ節税が可能となります。図表2を見てください。

出所:『いちからわかる!定年前後のお金と手続き 得する働き方・暮らし方ガイド2026-2027年最新版』(インプレス)より抜粋 [図表2]同じ世帯年収なら夫婦2人収入が有利 出所:『いちからわかる!定年前後のお金と手続き 得する働き方・暮らし方ガイド2026-2027年最新版』(インプレス)より抜粋

夫1人が働き世帯年収700万円の「パターン(1)」では、夫の所得税は20万8800円となります。一方、夫の年収570万円、妻の年収130万円の「パターン(2)」では、夫側の基礎控除額が67万円から104万円へと大幅に増加することになります。

その結果、夫の所得税は9万700円まで減少する計算です。妻は基礎控除・給与所得控除によって、税金は0円となり、世帯全体の所得税は、パターン(1)と比べて、11万8100円ほど節税になります。

こういった結果からも、たとえ雇用継続後に個人の年収が目減りしたとしても、「夫婦分散」で稼ぐことで基礎控除をフル活用すれば、世帯全体の手取り額を底上げすることも可能なのです。

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